それぞれのピース

22.昔々 ページ22

ずっとテグンを見ているとあることに気が付いた



彼には心を許している人が一人いる



それはリンだったね



リンとテグンはすごく仲がよさそうで



テグンは彼女の前では少し微笑むこともあった



僕もその中に入ろうと思ってリンちゃんに話しかけてみた



「ねぇ リンちゃんとテグンってなんでそんなに仲がいいの？」



「…」



「なんでって…幼馴染だからだけど」



「えっ幼馴染だったの！知らなかった だから仲良しなんだね〜」



テグンは相変わらずほとんど何もしゃべらないが



リンちゃんもテグン以外には無口なようだ



リンちゃんはクラスの中でクールビューティーと言われている美人な子だ



黒のロングヘアーにきりっとした目



そのツンとした態度から誰も彼女に話しかけようとはしない



でも彼女の隠れファンはいっぱいいる



まぁつまりは どっちもクールでモテてるって事かな？



「…」



「って!!ちょっと二人で一緒に無視しないでよ!!」



「ふっ」



あれ…今テグン少し笑わなかった…？



「ねぇ、今笑った？」



問うと



「…」



予想通り返事は返って来ない



まぁ、いっか



彼女と彼と仲良くなるのは難しそうだけどなんだか仲良くなりたいって



直感で思った



本気で人と関わろうなんて思ったことなかったけど



二人は今までに見たことがないタイプだったし



この二人とだったら楽しそうだなって思ったんだ



二人は僕が話しかけても最初は何もしゃべらなかったけど



僕がしつこく話しかけまくったおかげか少し喋ってくれるようになっていた



いつの間にかリンちゃんもリンって呼び捨てできるようになったし



「ねぇねぇ二人ともお昼食べに行こ！」



「…うん」



「いいよ」



相変わらず愛想はないが確かに二人が心を開こうとしてくれていることはわかっていた







放課後はみんなそれぞれの部活に行っていた



僕はダンス部に入った 中学のころからダンスをしていたからすぐに部活には馴染めた



ダンスをしているときは何もかもが忘れられる



僕にとってすごく大事な時間だ



テグンはもちろんサッカー部に



リンは茶道部に入っていた






みんな全く違う部活だけど部活に対する気持ちは誰も変わらなかったと思う



それぞれ違う部活だから帰る時間は合わないはずなのに



僕は早く終われば二人を待ったし テグンとリンもいつでも僕を待っていてくれた

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