それぞれのピース

21.昔々(エン) ページ21

むか〜し昔 あるところに… ってそんな昔でもないか



あのころは本当にホンビン君たちみたいに青春してたな〜…



今から話すのは僕の高校時代のお話…







桜が綺麗に散るころ 僕は高校に入学した



中学のころから何不自由なく生活してきた僕



それなりに女子にもモテてたと思う でも僕は誰とも付き合うことはなかった



だって簡単に手に入るものなんてつまらないでしょ?



それなりに人付き合いして それなりに笑顔振りまいとけば



上手くいくもんって思ってた



僕はあまり人と深く関わりを持たなかった



だってそんなのめんどくさいじゃん？



…でも高校に入った僕は 何か新しい刺激が欲しいと思ったんだ



ずっと同じ生活じゃつまらないって








そんなとき 席が僕の後ろだったテグン君



テグン君は切れ長の目に白い肌 それに高い身長ですごくモテそうな感じだ



しかもサッカーがすごく上手いって噂を聞いていた



性格どんな感じなんだろ… なんとなく声をかけてみようと思った



「よろしく 僕ハギョンって言うんだ！」



と笑顔で言ったけど



「…く」



「ん?」



「…よろしく」



すご〜く小っちゃい声で返事をくれた



…何この子面白いんだけど



いっぱい話しかけてみようっと



「テグン君って言うんだよね？テグンって呼んでいい？」



「…」



「テグンはさぁ サッカー部入るの？」



「…」



反応がない…



でも面白い子見つけちゃった これからが楽しくなりそうだな〜







学校から帰っていると同じ中学だった友達に



「お前チョンテグンとあんま関わんない方がいいかもよ？」



と言われた



「なんで？」



と返すと



「だってあいつヤバイ噂いっぱいあるじゃん」



へ〜…それで？ これが僕の率直な感想だ



噂なんて僕にしてみればどうでもいい



その噂がほんとだろうが嘘だろうが



それは過去のことであって今とは関係ないのだから



それに本人に確認も取らずに



勝手に人のうわさを流したりするやつは嫌いだ



「ふ〜ん、そう」



話を流すのが一番いい方法だと思った



否定も肯定もしない これが僕の性格だ








…結局僕は自分が傷つくのが怖いだけなんだけどね

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