それぞれのピース

19.デートに行こう ページ19

寝ているAの顔をスゥっとなぞりあげる



「ん…」



まだ寝ているA



あぁ…寝込みを襲うなんて一番たちが悪いじゃないか



でも…キスぐらいはいいよね？



そぉっとAの唇に近づいてキスをした



もう…止められそうにないんだけど



「寝込みを襲うなんて…」



気付いていたかのように目を覚ましたA



「気付いてたの？ でも抵抗しなかったじゃん？」



「いや…」



「何？ほんとは嫌じゃないんでしょ？」



やばい…なんだかいじめたくなってきた



僕はAの上に覆いかぶさった



Aの顔まであと一センチぐらいのところでぴたりと止まる



少し笑みを浮かべた後



「ほんとは…期待してたんじゃない？」



耳元で囁いた



赤くなる君の顔



「図星だね？」



反論させる間を与えずに



もっと深く深く口づけた



「っは ん…」



上手く息継ぎができないのか 漏れる吐息



「そんな格好で…僕を誘ってる？」



「違う…」



可愛いなぁ



Aの反応は本当にかわいい だからもっといじめたくなっちゃうんだ



「すっごく綺麗だよ」



「…」



恥ずかしくて何も言えないのか黙ってるA



少し笑って 首元に舌をなぞらす



「っあ」



妖艶な唇から漏れる可愛い声



「もう僕…ダメかも」






バスローブの紐に手を掛ける



「優しくするから…ね？」



そう言うとAは小さく頷いた









さぁ長い長い夜の始まりだ

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