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甘ったるい餡子にぷるぷるの寒天。もちもちの白玉。おまけについてくるのはきな粉餅。
最近町で話題になっている茶屋。美味しいものをなんでもかんでも詰め込んだという「まぜこぜ」というそのまんまの名前も話題らしい。
休みを合わせて誰かしらと一緒に行くなんてことは相手がいないので出来るはずもない。寂しくお一人様なるものを堪能させてもらおうと少なからず楽しみにしていたのだ先程まで。
本当についさっきまで楽しみでたまらなかった。
「なんで……いるの」
不破雷蔵の顔ならまだしも貴方の顔は私がこの世で狂おしい程に愛した人の顔と同じで胸が締め付けられるように切なくなるとともに憤りに似た感情が溢れてくる。
「なんで……って約束したじゃないか。お休みを合わせてこの甘味処へ行こうって」
この男は一体何処まで私と彼のことを知っているのだろう。
未来に希望しかなかったあの時の約束。貴方は笑ってちょっとお高めの簪なんかくれちゃったりして。不器用なのに私の髪の毛をその簪で結わえてくれて案の定髪の毛がぼっさぼさになって。貴方がそうした癖にくすくす笑って「ちょっと」と声をあげても「ごめん」と返しながら笑い続けて。
でもあれほど心地良い怒りを私は知らない。
「貴方とそんなこと約束してない」
「忘れちゃったの?酷いなあ」
酷い、だなんてあの人は言わない。きっとその言い方は貴方のちょっとした仕返しなのだろう。あの人の顔で私にあの人が言わないだろう言葉を投げかける。それが私をどれだけむかつかせるか知らないで。
「私はお一人様で楽しむ予定だったのに」
「混んでいるから仕方ないよ」
その言い方は真似なくてよろしい。
本当の顔を明かさない貴方の脳天ぶち抜いてやろうか。それとも内臓を引きずり出してやろうか。
「僕で物騒なこと考えてない?」
「まさか」
そのまさかだけれど。
「側にいてって言ったのは君だ」
「こんな付きまといみたいなことしてほしいわけじゃない」
「あの人と偶然会うのは嬉しがったくせに」
「本当に好きだから」
私のことを知っていて側にいるって貴方が言い出したことなのに。貫く覚悟もない。
「ねえ。知ってる?」
「何をだ」
優しい口調はどこにいったの。
「私たちのこと」
「……さあな」
「話してあげる」
「お前が話したいというのなら」
いつかあの人に成り変わる覚悟もなかった彼に鉄槌を。
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はたはた(プロフ) - 雅榴さん» 雅榴さん、コメントありがとうございます!とても沢山褒めていただけて嬉しいです^ ^リクエスト承りました!お時間がかかると思いますが必ず書かせていただきます! (2019年5月11日 16時) (レス) id: d037e4ab14 (このIDを非表示/違反報告)
雅榴(プロフ) - お初失礼します。他にはない独特の世界観や言葉のセンス等々いつも楽しませて貰っています。女好きのシリーズで土井先生のお話はリク可能でしょうか?もしよろしければご検討ください。無理せず今後も頑張って下さい。 (2019年5月5日 17時) (レス) id: cad46f67b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さえき | 作成日時:2018年8月18日 14時