女好きな私と燃える戦国作法 ページ1
女の子は可愛い。
抱きしめると嬉しそうに恥ずかしそうに抱きしめ返してくるところとか
他にも色々あるけどね。
それなのに私は可愛い女の子ではなく、妙に似合う女装をしている立花仙蔵を抱きしめている。
自慢ではないが女の子に人気のでる顔だと自負できる私と無駄に綺麗な顔をしていて無駄に着物も完璧に着こなせる腹黒男はかなり絵になるとは思う。
だからと言って私に拒絶反応が出ないはずもない。
「……そろそろいいかな」
「まだです」
このクソ餓鬼。
でもこんな奴でもくノ一に人気があるのだからたまったものではないけどね。
私の方がよっぽど良いと思うのだけれど。
「あのこと、バラされたくないでしょう」
そう言われると痛いね。
弱みを握っていると思って調子に乗りやがってとか言いながら回し蹴りを食らわしたいところだがそうしてしまうと言いふらそうとして反応を楽しむのは目に見えている。
此奴にだけはばれないほうが良かったね。
「お嬢さん。お手をどうぞ」
いつも通りに笑顔をつくる。
表向きでは彼女の恋人への贈り物を一緒に選ぶといった用事。
でも彼女はめかしこんでいてただそれだけの用事としては受け取れなかった。
「髪型を変えたんだ。凄く可愛いよ」
彼女の恋人はそんなことを言ってくれないのだろう。
彼女は本当に嬉しそうに笑う。
純粋に優しく、愛されたいだけなのにね。
上手く表現出来ないとか言って側に置いておくだけじゃいけない。
「行こうか。おすすめの店があるんだ」
彼女の手も引けない。
愛も囁けない。
そんな男は捨てられても仕方ないよね。
「……いけないことだって分かってます。でも、柳さんが好きなんです」
ほうら、ね。
涙をぽろぽろ流す彼女は可愛い。
心変わりなんて普通のことなのにね。
ああ、この先に行ってはいけなかった。
甘味処のお嬢さんと鉢合わせてしまう。
さりげなく誘導すると彼女は私が気を使って人気のない場所へ向かおうとしていると思ってくれる。
「柳さんはいつも優しいですね」
私が不特定多数の女の子と遊び歩いていると分かってもそう言えるのかね。
まあ悟らせることなんてないけれど。
「ありがとう。でも、君だからだよ」
分かりやすい特別扱い。好きだよね。
もうすぐこの時間が終わる。
この後が憂鬱だ。
ねえ、立花くん
君は何で逢引の後に私を呼び出すの?
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はたはた(プロフ) - 雅榴さん» 雅榴さん、コメントありがとうございます!とても沢山褒めていただけて嬉しいです^ ^リクエスト承りました!お時間がかかると思いますが必ず書かせていただきます! (2019年5月11日 16時) (レス) id: d037e4ab14 (このIDを非表示/違反報告)
雅榴(プロフ) - お初失礼します。他にはない独特の世界観や言葉のセンス等々いつも楽しませて貰っています。女好きのシリーズで土井先生のお話はリク可能でしょうか?もしよろしければご検討ください。無理せず今後も頑張って下さい。 (2019年5月5日 17時) (レス) id: cad46f67b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さえき | 作成日時:2018年8月18日 14時