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収録は予定通りに進み、
無事に終了した。
同じレーベルというだけで、
行われる打ち上げ。
そこには先ほどの音楽番組の
司会者や関係者も参加していた。
打ち上げというのは形だけのこと。
本質はいかに次に仕事を繋げられるか
マネージャー達はこの機を逃すまいと
必死で媚び諂うのだ。
事務所が借りたパーティー会場に
車で移動し、会場内へ足を進める。
中はバイキング形式で
様々な種類の食事が用意されており
お酒も振る舞われているが
アーティストが口を付けることは無い。
マネージャーや他の大人達が
呑むためのものだった。
想像していたより盛大な打ち上げに
今夜は遅くなりそうな予感がした。
Aはきっといつものように
夕飯を作って待っているだろうし
キリの良いところで抜けてしまいたかったが
不安が募った。
「ジョンウォン、約束通り頼むね」
「良いですけど、何でそんなに嫌うんです？
適当に合わせとけば良いじゃないですか」
「そんなことしたら、
気があるって勘違いされるだろ。
彼女、自分しか見えてないっていうか
ここは他のスタッフや関係者の目もあるのに
誤解されたら後の祭りだよ。
そうならないためにも、面倒だけど
俺のために頼むよ」
練習室でしつこくされる分にはまだ良い。
居るのはメンバーと
自分を知るマネージャーだけで、
ミニョの自分に対しての
好意を皆が周知しているからだ。
しかし、こんな大きな場所で
ベタベタと体に触れてきたり
オッパと呼んで、甘えてくる姿を
部外者に見せるわけにはいかない。
「良いですけど…来週ご飯連れてって
くださいね」
「勿論、その時は奢るから」
「当然です」
こうして、ジョンウォンという盾を
引き連れ食事を取ったり、
挨拶に回ったりと時間を潰していたが
それも終わる頃には大人達は酔っ払い
会場の雰囲気も宴会ムードに成り果てていた。
それを見計らってかわからないが。
「ヒスンオッパ！！」
「わ〜ミニョちゃんお疲れ様！」
「あ、ジョンウォンさんお疲れ様です！
私もご一緒して良いですか？」
カウンター席でジョンウォンの
食べるプレートをつまみ食いしつつ
話しているとミニョが近寄って
声をかけてきた。
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作者名：yori | 作成日時：2022年8月24日 23時
