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「綺麗だよ」
じっと見つめて、甘く笑うヒスンに胸が疼く。
『遊ばれてるだけ』
その言葉が頭に過ると、
これまでとは違い息苦しさを感じた。
勘違いしてはいけない。
ヒスンに言われる言葉はいつでも暖かくて
気分が良くなることばかり。
けれどそれはヒスンの、表面上のもの。
心の奥底は見えない。
「そういうのは、
安易に言わない方が良いですよ」
どこか落ち込んだように
不安げに私を見つめるのは
気のせいだろうか。
こんなのだから
期待してしまうのだ。
私のことを……なんて、あり得ないのに。
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ヒスンがケーブルを繋ぎだす。
今夜はまた夜更かしするんだろうと
思いいつもの様にヒスンに声をかけた。
「じゃあ、おやすみなさい」
すると、ヒスンは振り向くも
返事は返って来なかった。
視線を感じるが何も言い出さないヒスン。
その空気に気まずさを感じる前に
部屋を出ようとした時だった。
「ねえ、A
一緒にゲームしない？」
コントローラーを手にしたヒスンに
呼び止められた。
思いもよらぬ誘いに困惑し、
期待を込めた表情には言葉を詰まらせた。
「…でも。私きっと下手ですよ」
興味が無いと言えば嘘になる。
基本的におとなしいヒスンが
ゲームの時になると独り言を漏らし
楽しそうにしている姿を
度々見ていたから。
「なら簡単なやつにしよう、ほらここ来て」
ぽんとヒスンは自分の座る場所の
隣を叩き促す。
「じゃあ…
あ、でもいつもの
殺人ゲームはちょっと…」
「え〜…
しょうがない。可愛いのにしてあげよう」
武器を使って人を撃ち殺 すような
物騒なゲームばかりしていた
印象があったから、
そんな恐ろしいことは自分は出来そうにない。
ヒスンは可愛いのなんて言ったが
本当にあるのかと疑いながらも
隣に腰掛けた。
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作者名：yori | 作成日時：2022年8月24日 23時
