検索窓
今日:23 hit、昨日:7 hit、合計:22,456 hit

52 ページ2

.





私生活に追われ忙しない中で
恋人が欲しいと思ったことは無かった。



しかし、入学当時からユンホくんという
生徒会役員を務める彼からのアプローチを
一年も受けその執念に折れて付き合うことに
なったのが始まりだ。




正直、付き合えば自分の好意の無さに気付き
諦めてくれるだろうという魂胆ではあったのだけど。








ユンホくんは生徒会に所属しており、
明るく誰にでも分け隔てなく接する性格と
その容姿の良さから女子生徒達からの
人気が絶大な人物だ。

どこからの噂で付き合ったことが周知されてから
私への非難の声は常々向けられるようになった。







想定していたがこうなれば
私から振ってしまおうと考えたものの
彼は誰よりも私に優しく、
勇敢にも守ってくれたのだ。








「どうして私なんかと付き合ったの」

「Aってさあんま笑わないじゃん。
 美人なのに勿体無いなあって、
 俺がAを笑顔にさせてやるって
 思ったんだよね」

 





お節介な彼らしい理由と同時に
馬鹿な人だと思ったがどこか
彼という人を憎めなかった。




あまりに単純で、純粋な彼の
素直すぎる言動を知るうちに
受け入れたいと思うようになったからだ。






ユンホくんへの気持ちが確かなものに
なりつつあった時。






「ごめん。別れて欲しい」

「どういうこと?」

「だって…Aはさ、自立してるし
 俺が居なくても大丈夫そうだなって。

 …俺、妹のミニョちゃんの事が好きなんだ。
 必要とされてるっていうか、
 か弱くて守ってあげたくなるっていうか」

「なんで。どうして、ミニョなの」

「好きになったもんはしょうがないだろう。
 嘘ついてまで付き合い続ける方が
 Aを傷付ける事になるし…
 だから、悪い…」

「…わかった。」







一学年下で入学してきた妹。

地域の進学校である唯一のこの場所に
ミニョが入学してきたことは特別
おかしなことではなかった。


けれど、よりによって彼は
ミニョを選んだのだ。





.

53→←51



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (98 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
406人がお気に入り
設定タグ:ENHYPEN , enhypen , ヒスン   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:yori | 作成日時:2022年8月24日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。