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「A〜!!今日の夜空いてる？」

教室に入ってすぐ奥の方の席に座ってたスアが、私を見つけるなりでかい声で呼びかけてくる。

同じ部屋にいた子達が、煩いなと咎めるかのように鋭い視線を飛ばしてくるから、スアに静かにとジェスチャーで伝える。

「ごめん、ごめん。」

遠くからでもよく分かる、美してくて綺麗な顔を申し訳なさそうな表情にして謝るから、すぐに許してしまう。

私の悪い癖。

『あ、でなんだっけ？今日の夜？』

「そう。私の知り合いがお店やってるんだけど、ご飯食べに来ないかって。」

『今日の夜は平気だったと思うよ。』

スマホのカレンダーを見ても、特に何も入ってないから、急に予定が入らない限りは平気なはず。

「良かったー、じゃあ授業終わったら学食来て。今日Aの方が終わるの遅い日だよね？」

『うん、でも夕食にしては少し早くない？』

今日は4限で終わるから4時すぎぐらい、夕飯には少し早い。

「こっから電車乗るし、お喋りしながら食事ってかんじみたい。」

『ふーん。』

「あ、あと知り合いが奢るからって言ってた〜」

『え！？ほんとに平気なの？』

「うん」

『いや、でも』

お金、と言おうとした時に授業開始のベルが鳴った。

「じゃあそういうことだから後でね。」

気前の良すぎるスアの知人に感謝しなきゃなと思いつつ席についた。