四葉院中学オカルト部！２ (ページ4)

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『怪異』の目的は？ページ4

「じゃあ、また明日!!」
あの後警察の事情聴取などはあったものの、特に事件も無く、無事に海を送り届ける事ができた。
今一同は、海の家の玄関先に居る。
「うん、じゃ、また明日」
「海、土曜日のこと空にもちゃんと話しておけよー？」
「わかってるよ、朝野先輩」
それだけ言って、海は家の中へと消えた。

それから約１０分後。
通学路を歩いているのは、渉と京介の２人だけ。他の７人とは、先ほど別れた。
歩きながら、渉は頭をフル稼働させる。

今回の怪異の正体は何なのか？
何故海に予知夢を見せるのだろうか？

「…京介はどう思う?」
京介に問う。すると、返ってきたのは意外な答えだった。

「いや、俺に聞かれても…でもそうだな…もしかしたら海に夢を見せてる奴は、海に害を与えようとしてるわけでもないのかもな」
「どうして?」
「いや、ほら…今まで海が見た夢は、全部誰かが死んだり怪我したりする夢だろ?その夢を見て、海は今までそうなるのを回避してたわけだよな」
「うん。そう言えばそうだね」
「それって裏を返せば、今まで海が夢を見てなかったら、誰かが死んだり怪我したりしたってことだよな。特に最初なんて、お前の好きな空先輩死んでるもんな」
「…そっか…って、『好きな』のところ強調しないでくれるかな!?」
つまり、海に夢を見せている誰かは、海や周りの人を助けようとして予知夢を見せていると言いたいわけか。

その時。
♪～♪♪♪～♪♪～♪
「あれ、私の携帯?」
「海からじゃん。出たらどうだ?」
「そうだね…もしもし、渉だけど…」
『あ、渉!?海だけど、今、１人になったりとかしてない!?大丈夫!?』
「え…い、今は京介と一緒だけど」
『そう?良かった…あの、僕さっきまで忘れてたんだけど…家に帰るまで絶対に１人きりになっちゃダメだよ!!今そこに京介が居るなら、京介に家まで送ってもらって!!』
「う、うん…わかった」
『絶対だよ!!』
それだけ言うと、海は電話を切ってしまった。

「…というわけで、お願いして良いですか…?(汗」
「え、あ、まぁ良いけど…もしかして海今日、香の事に加えてもう1つ夢見てたのか?」
「あー…そうかもね。香の事でも、海、その時になるまで忘れてたみたいだし」

その時、渉も京介も気づいていなかった。
電柱の陰から２人を見つめる人物が居たことに。そしてその人物が、小さく舌打ちしたことに。

まさに渉は海の夢で危機を免れたのだった。