検索窓
今日:6 hit、昨日:0 hit、合計:3,041 hit

幻夢と幸福 ページ11

「それで?ここから先はどうするんです、朝野君。そのフラマという方にお話しを聞かなければ話が先に進まないのでは?」
「そう慌てるなよ椿。あ、悪いな京介、そこちょっとどいてくれ」

そういって英は部室の奥まで進むと、どこからか取り出したチョークで床に魔法陣を描き始めた。

「これ正円描かなきゃならないから面倒なんだよなあ…」
「ならお前も称号つきの魔術師になるか?魔法陣描く必要ねえぞ」
「ふざけんな聖也。あんな変態ババアに俺の血をやるつもりもお前の下僕になるつもりもねえよ」
「うわ、怖えなあw」

カリ、と魔法陣の最後の一画を書き終わると魔導書を開き、手を高く掲げて呪文を唱える。

「我命ずる。"幸福の魔女"アイーダよ、姿を現せ。"Coget"」

魔法陣は赤く淡い光を放ち、その光が強くなると共に一人の女性が姿を現す。

「――久しぶりですね、アサノ、サクラギ。喚ぶのなら事前に言ってくれると嬉しいのですが」
「年中電波の届かないところにこもってる奴が何言ってんだ。それよりアイーダ、お前の弟子は今どうしてる?」
「ああ、フラマのことですか。あの子は確か…」
「ちょっと待ってください朝野君、なんか色々理解が追い付いてません」

そして、説明すること約10分。

「…つまりこの人は"幸福の魔女"の称号を持つ魔術師で、さっき出てきたフラマって人はこのアイーダさんの弟子ってことでいいんですか」
「そういうことだ、京介」
「ところで部長、一つ言いたいことがあるんだけどいい?」
「ん?なんだ、鬼羅」
「部長……


こんな美人さんと知り合いだったの!?なんかすっごいずるくない!?アイーダさんめっっちゃ綺麗じゃん!!!」

「へ?あ、ええ?うんまて鬼羅、落ち着こうか?」
「いやまず朝野君、あなたが落ち着いてください」

そして再び10分後。

「…ふむ、成程。確かにそれは、うちのフラマの仕業でしょうね」
「やっぱりか。あそこまで高精度かつ長期的な予知夢を見せられるのはお前のところのお弟子さんだけだもんな」
「弟子をお褒めいただき光栄よ。ありがとう、サクラギ」
「礼はいいから、フラマを呼んでくれないか。依頼人が困ってるんだ」

「その必要は無いですよぉ〜♪」

妙に高らかな声と共に、今まで誰も居なかった筈の虚空から夕陽色のお下げをたらした少女が現れる。

「はぁ…久しぶりだな、フラマ」
「はいっ、ミスターアサノ、お久しぶりなのです♪」

人物設定 アイーダとフラマ→←オカルト部のホームズとワトソン



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (12 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
設定タグ:小説   
作品ジャンル:ホラー, オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:Lemon | 作成日時:2015年11月5日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。