・ ルート壱 ページ25
・
刀を強く握りしめる。
ーーー雪の呼吸・参ノ型 粉雪
みんなを追い越して、鬼に近づく。
ーーー月の呼吸・壱ノ型 闇月・宵の宮
刹那、身体に鋭い痛みが走った。痛い、痛過ぎて涙が出そうになる。耐えろ、最後まで。
やり遂げるまで、泣くことなんて私が私を許さない。
前を見据える。
ーーー雪の呼吸・弐ノ型 氷麗舞
ドンッ、と踏み込む。相手を向かって進んでいく。グサリ、と相手の鳩尾に刀が刺さった。後ろから「すみれさん？！」と驚いた声が聞こえる。悲鳴嶼さんがそこから離れろ、と言う。不死川さんが怒鳴る。
私は首を振った。
鬼の顔。ピクリともしなかった眉がほんの少し上がっていて、その姿に無意識の中私の口角は上がった。
ーーーもう、覚悟は決めた
ーーー此処で私は死ぬ
「……憐れだな」
ポツリ、と一言そう言った。その瞳は何故か同情が混じっているように見えた。
たしかに私は憐れかもしれない。他人から見た私は。でも、私は私を憐れだと思ったことなんてない。同情なんていらない。私の
『…貴方こそ憐れね』
ーーーそんな人智を変えた異形になってしまって
目の前に紅が舞った。お腹がひどく熱い。口からボタボタと鉄が溢れた。
嗚呼、斬られたんだな。…最後まで役に立たないと。逃がさない、逃したくない。いや、絶対に逃さないから。
ギュウッと全ての力を振り絞って刀を握る。水色の刀が赤く染まったのを見て、私の視界は暗転した。
ボーと虚空をみつめる。そこは暗くて何もなくて寂しくて。私は一歩踏み出した。
ーーー姉さん！！
私の声が響く。何も変わらなくて、私は思わず駆け出した。
ーーー姉さん、お兄ちゃん、お姉ちゃん！！
私の声は虚しく響くだけで
ーーーお父さん、お母さん！！
そこは天国でも地獄でもないところなんだと気づいた。
私は卑怯だから。諦めが悪いから。でも、心が折れそうで。
ーーーごめんなさい
涙がこぼれ落ちた。私の試合はもう終了していた。後悔のある人生なんて家族が許すわけなくて、いや、これは嘘。本当は後悔を私が許すわけなかった。私が私を閉じ込めた。
ゆっくり顔を上げる。後悔ばっかり、
何も変わらない、
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白い流星ーいずみんー(プロフ) - 初めまして〜。この小説は元々、落ちとか決めてなかったんで五条先生落ちになるのかはわかんないです…（完結のタグつけちゃった…）応援ありがとうございます (2021年5月26日 19時) (
レス) id: 0e37fab493 (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - 初めまして、この小説は五条悟オチですか？できれば五条悟オチでお願い出来ますか？続き頑張って下さい。応援してます。 (2021年5月26日 18時) (レス) id: 8685377221 (このIDを非表示/違反報告)
ノノ(プロフ) - 続き楽しみ (2021年5月16日 23時) (レス) id: cf6ccd0ff8 (このIDを非表示/違反報告)
白い流星ーいずみんー(プロフ) - コメントありがとうございます。頑張ります！ (2021年5月16日 23時) (レス) id: 0e37fab493 (このIDを非表示/違反報告)
ノノ(プロフ) - 続き楽しみです！！！！！！！ (2021年5月15日 10時) (レス) id: cf6ccd0ff8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白い流星ーいずみんー | 作成日時：2021年5月9日 9時
