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「急げ、どうせすぐ治してくる」
「ゴホッ」
4人で急ぎながら外に出る。既に喉が限界に近い狗巻さんを後ろに庇いながらジリジリと下がる。
「狗巻先輩が止めてくれる。ビビらずいけ」
伏黒さんの鵺が飛んでいく。後ろからひどい血の匂い。慌てて振り返ると、狗巻さんが呪言を言おうとして喉から血が出ていた。
『!!だめ、止まってください!!』
ブシャァ、と鵺の心臓を特級の腕が貫く。ザザ…と過去の記憶がよぎった。大丈夫、あれは人じゃない。大丈夫。
ボタボタと血を流す狗巻さんに駆け寄る。「立てますか」と聞くとガラガラな声で「しゃけ」と返された。
特級の攻撃が加茂さんに当たる。急いで伏黒さんが加茂さんを抱いて特級から距離をとった。
「生きてますか!!加茂さん!!」
強い言霊を狗巻さんは使っていない。せいぜい、「止まれ」や「動くな」などだ。それなのに、狗巻さんの怪我はひどい。つまり、それだけ相手が格上。特級の中でも上位者。
狗巻さんは立ち上がると1人構えている伏黒さんの元に向かった。ポン、と肩を叩き「高菜」とつぶやく。
「狗巻先輩!!それ以上は…!!」
「『ぶっとべ』」
少しずつ特級に近づいていく狗巻さん。呪言を放ち、口から血が噴き出る。屋根の上へと飛ばされた呪霊。先程よりは距離があるがそんなに離れているわけでもない。
伏黒さんが特級を追う。
私は狗巻さんに近寄り、肩を持った。倒れている加茂さんの肩もだ。
真希さんが現れて刀を振り上げるのを見た。ギィンと音がして刀が折れる。私は2人の邪魔にならないように一旦この場所を離れた。
『パンダさんや、他の人に合流しないとですね……』
肩を持つだけではひこずるのに気付いたので俵のようにして運ぶ。しょうがない、今の状況じゃ急いでここを離れるほうが先。この2人の具合なんて構ってられない。
急いで駆ける。帷を抜けて、家入先生のところに向かう。ここまで来る時、誰にも会わなかったのは少しおかしい。
2人を家入先生に任せて私はもう一度″帷″の中に戻ることにした。
『突然現れた特級呪霊。それに、″帷″。それを考えたら、人は最低でも1人はいますよね。…ただの呪詛師が特級と組めるなんてありえないはずなのに』
そう考えると他にも人が居ると考えた方が妥当?間に合って、と思いながら私はついさっき覚えた呪霊の気配を辿った。
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白い流星ーいずみんー(プロフ) - 初めまして〜。この小説は元々、落ちとか決めてなかったんで五条先生落ちになるのかはわかんないです…(完結のタグつけちゃった…)応援ありがとうございます (2021年5月26日 19時) (レス) id: 0e37fab493 (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - 初めまして、この小説は五条悟オチですか?できれば五条悟オチでお願い出来ますか?続き頑張って下さい。応援してます。 (2021年5月26日 18時) (レス) id: 8685377221 (このIDを非表示/違反報告)
ノノ(プロフ) - 続き楽しみ (2021年5月16日 23時) (レス) id: cf6ccd0ff8 (このIDを非表示/違反報告)
白い流星ーいずみんー(プロフ) - コメントありがとうございます。頑張ります! (2021年5月16日 23時) (レス) id: 0e37fab493 (このIDを非表示/違反報告)
ノノ(プロフ) - 続き楽しみです!!!!!!! (2021年5月15日 10時) (レス) id: cf6ccd0ff8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白い流星ーいずみんー | 作成日時:2021年5月9日 9時