呪術世界の蝶の子 Part 2 【呪術廻戦】【鬼滅の刃】【完結】

大切な人 ページ20

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＿＿＿＿私が私たちがいなくなっても、心を閉ざさないで。心のままに生きてちょうだい。姉さんは貴方の笑顔が大好きよ

＿＿＿＿きっと貴方に大切な人が出来ますように

＿＿＿＿姉さん、これが終わったら姉さんも私達以外に大切な人、作ってね


頭の中で反芻される大切な家族(姉妹)の言葉達。あの、橋での任務の後高専に戻った私たちは各々訓練や任務、休暇に明け暮れていた。

これまでは大切な人なんて彼女達しかいない、と思っていたはずだった。でも、いつのまにかわたしが知らないうちに私の中に入ってきた人たちがいた。


『…野薔薇。虎杖。伏黒。五条。棘先輩、真希先輩、パンダ先輩。…あと、七海』


この世界は汚くて黒い。でも、その分キラキラと輝いている。前世(あの頃)のように、生きている人がいるだけで輝く世界だ。


＿＿＿＿もし、大切な人が出来たなら、その人達と私達のところに来て頂戴



あの時の言葉は幻聴なんかじゃない、と思う。じゃなかったら、あんなにも泣きたくなるぐらい胸が締め付けられることはない。

こんなにも心に残るはずがない。


『会いたいよ。……ううん、会いに行きたい』


彼岸(向かう)に行くんじゃなくて現世(ここ)から貴方達に会いたい。どうやったら、会えるの？ねぇ、誰か教えてよ。


ギュッと縮こまってベットの上で丸まった。寂しい、会いたい。ねぇ、会いたいよ。会わせたい人がいるの。姉さんにカナヲに会わせたいこっちで出来た大切な人。

家族じゃないけど、仲間として友達として大切な人たちなんだよ、って教えてあげたい。伝えたい。


その時、コンコンとドアが鳴った。枕に伏せていた顔を上げる。少し揺れる頭。

ドアを開けると長身の白髪目隠し男がいた。


『…………五条。どうしたの？』

「やっほー、カナデ。今から夜のお散歩に行こうじゃないか！」

『やだ』


そう言ってドアを閉めようとするとその長い足がドアと壁の間に割って入る。こんな時にその長い足は便利だと思う。

渋々、ドアをもう一度開けて「本当に何」と聞く。


「だから、お散歩しようって。カナデが喜びそうなところ見つけたんだから」


目隠しを上にあげて、私の目に視線を合わす。幻想的な蒼の瞳がこちらを見つめた。
私が喜びそうなところって何、と首を傾げる。五条は信頼してるし信用してるけど五条の言葉は信用していない。

五条は何を見つけてそんなこと言ってるの？




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