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ヘラリとする2人に少し不安を持つ。その感情に少しの驚きを私は覚えたが、今はそんなことは関係ないのだ。
「ね、ねぇ…カナデ」
『野薔薇どうしたの?』
「伏黒…どうしたんだ?」
野薔薇が言うより先に虎杖が口を開いた。嗚呼、と私は頷くと「疲れて寝てる」と一言。
その時、パチリと伏黒の目が開いた。ムクリと起き上がると「おっ、戻ったか。良かった、無事で」と言う。
「び、ビビったー!」
と心臓を押さえる虎杖。
「オマエ、何カナデの膝枕もらっとんじゃァー!!」
と地団駄を踏む野薔薇。
「私だってしてもらったことないわ!」と叫ぶ野薔薇にオロオロとしながら落ち着けに行く。
「声量落としてくれ…」
と力なく伏黒が言った。
「宿儺の指持って寝こけるなよ。カナデが近くにいたからってな」
「危ねぇだろ」とボソリと野薔薇がいう。「なんで知ってんだよ」と伏黒が言ったが「それ聞く余裕ある?」と聞かれ「ない」と答えていた。
『取り敢えず、みんな集まったから新田さんに連絡しよう』
地面に置いていた刀を腰に刺した私がそういうと「そうだな」と虎杖が頷く。
「
「俺食べようか?」
「残飯じゃねーんだよ」
「オマエの指の
『確かに』
私は頷く。「でも」と伏黒は続けた。
「一番元気そうなオマエに渡す。念を押すが食うなよ?」
そうして伏黒が差し出した指を虎杖が受け取ろうとする。その時、パクリと虎杖の手から口が現れて指を飲み込んだ。
『あ』
「食うなっつったろ!!」
「え、俺ェ!?」
野薔薇が叫んで虎杖が指さした。私と伏黒は重いため息をついた。宿儺が虎杖の体どこでも口、目を出せることを忘れていた。
「コイツ…マジで!!今回もろくに働かねぇし!!」
そう言って虎杖は首を傾げた。
「もしかして五条先生って適当?」
しょんぼりした風に言う彼に今更…と思った。その時新田さんの怒鳴り声が聞こえてくる。
「クラァッ!!!オマエらぁ!!!」
「あ、新田さん」
「ブチ切れてるわね」
『そうだね』
座り込んでいる伏黒の手を3人で引き上げる。ゆっくりと腰を上げた伏黒。虎杖がニッと笑って「じゃ、帰るか」と言った。
『…疲れたね』
「そうね」
隣を歩く野薔薇が頷く。
「みんなが無事で良かった」
そう言うと少し驚いた顔をして「私もよ」と笑った。
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白い流星ーいずみんー(プロフ) - トマトまとさん» コメントありがとうございます。ありがとう、を伝えるのは私の方ですよ〜。最後まで読んでくれて、コメントもしてくれて本当にありがとうございます。 (2021年12月8日 21時) (レス) id: 0e37fab493 (このIDを非表示/違反報告)
白い流星ーいずみんー(プロフ) - ピコピコさん» コメントありがとうございます。棘くん声がいいですもんね。歌うまそうなのすごく分かります。 (2021年12月8日 21時) (レス) id: 0e37fab493 (このIDを非表示/違反報告)
トマトまと(プロフ) - 完結おめでとうございます!!最後に皆に気持ちを伝えれて、感情が表に出るようになって良かったと思います!ありがとうございました。 (2021年12月8日 21時) (レス) id: 1d9d2ab89b (このIDを非表示/違反報告)
ピコピコ - 皆さんも聞いてください。棘さんの顔が浮かんできます (2021年7月29日 22時) (レス) id: a1310badd0 (このIDを非表示/違反報告)
ピコピコ - 棘さんって絶対歌が上手いと思うんですよ。(何言ってんだコイツ)Eveさんの曲を熱唱して欲しいな〜たまに声が高い所とか、絶対合う!Eveさんの曲聞く度に棘さんの顔が出てくるんですよ、私 (2021年7月29日 22時) (レス) id: a1310badd0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白い流星ーいずみんー | 作成日時:2021年7月10日 0時