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伏黒と共に駆け出す。あたりに筍のように生えている呪霊を伏黒と共に叩いて回る。
「裏の取り方が単純なんだよ」
ポツリと伏黒が零したのを聞いた。最後の一体と思われるものを祓う。ふーっと息を吐いた。その時、隣にいた伏黒の気配が微かに揺れる。隣を見ると上の方を見ている伏黒の瞳が驚いたように見開かれていた。
『……何か、出てくる』
先程の呪霊が入っていたものより大きい何かが天井に生えている。ズリュという音と共に何かが押し出されて私たちの前に落ちてきた。
『…特級呪霊?』
「栗花落!コイツは少年院の奴より数段___」
伏黒が何かを言おうとする。咄嗟にその時呪霊が私たち__伏黒の方__に放った呪力の塊だと思われるものを持っていた刀で斬り刻む。
『___強い』
「あぁ」
刀の振動でわかる。さっきの攻撃、当たりどころが悪ければ、刀が折れていた。それほどまでに強い斬撃を飛ばせる特級呪霊。ゴクリ、と生唾を飲み込む。
呪霊が動いた。伏黒と私の周りを高速で動く。
『…でも、スピードは遅い』
___花の呼吸・弐ノ型 御影梅
「鵺」
私が技を出し、その間に伏黒が鵺を出す。
あの、少年院の呪霊は辛うじて私に対処できる呪霊だった。私の術式は相手の術式を消すだけ。その打撃斬撃までを消すことは無理だから、物理的にも強い特級呪霊は私の天敵と言える。
ふっ、と近づいた呪霊が伏黒に対して攻撃をする、直前で私は相手の腕を切り落とす。
『片腕、だけっ…』
残った腕で伏黒は後ろの壁まで飛ばされた。
『伏黒ッ』
思わず振り向く。戦闘中のよそ見は危険だって、姉さんも五条も言っていたのに。
伏黒は気を失っているようだった。下唇を軽く噛み、呪霊を見る。伏黒が起きるまで時間を稼がないと。
___花の呼吸・伍ノ型 徒の芍薬
呪霊と伏黒の距離を取る。その時、後ろから「
振り向くと伏黒がこちら__呪霊___の方向を向いて構えている。そして、ふと笑うと「やめだ」と手を上げた。
『伏黒…?』
「…………離れてろ、栗花落」
そう言った後にブツブツと何かを呟き始める。ポタリと伏黒の顔から血が滴り落ちた。
「やってやるよ!!」
狂気的な笑顔を浮かべた伏黒が韻を結ぶ。
「領域展開」
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白い流星ーいずみんー(プロフ) - トマトまとさん» コメントありがとうございます。ありがとう、を伝えるのは私の方ですよ〜。最後まで読んでくれて、コメントもしてくれて本当にありがとうございます。 (2021年12月8日 21時) (レス) id: 0e37fab493 (このIDを非表示/違反報告)
白い流星ーいずみんー(プロフ) - ピコピコさん» コメントありがとうございます。棘くん声がいいですもんね。歌うまそうなのすごく分かります。 (2021年12月8日 21時) (レス) id: 0e37fab493 (このIDを非表示/違反報告)
トマトまと(プロフ) - 完結おめでとうございます!!最後に皆に気持ちを伝えれて、感情が表に出るようになって良かったと思います!ありがとうございました。 (2021年12月8日 21時) (レス) id: 1d9d2ab89b (このIDを非表示/違反報告)
ピコピコ - 皆さんも聞いてください。棘さんの顔が浮かんできます (2021年7月29日 22時) (レス) id: a1310badd0 (このIDを非表示/違反報告)
ピコピコ - 棘さんって絶対歌が上手いと思うんですよ。(何言ってんだコイツ)Eveさんの曲を熱唱して欲しいな〜たまに声が高い所とか、絶対合う!Eveさんの曲聞く度に棘さんの顔が出てくるんですよ、私 (2021年7月29日 22時) (レス) id: a1310badd0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白い流星ーいずみんー | 作成日時:2021年7月10日 0時