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「あのお〜、これは……。味方によってはとてもハードなイジメなのでは…」
「うるせぇ、暫くそうしてろ」
『野薔薇を泣かせた罪』
「泣いてねえよ!!」
『…………』
隠すのには無理があると思うよ、野薔薇。今現在は東京校で集まってミーティング中。額縁を持って顔を覗かせる虎杖はだいぶシュール。その横に真顔で立つパンダ先輩と棘先輩もかなり怖い。
「まぁまぁ事情は説明されたろ。許してやれって」
「喋った」
ギュッと手を握られる。横を見るとそんなに身長の変わらない先輩の姿があった。
「そうだよ」
「棘、そこはしゃけだろ」
「なんで?」
パンダ先輩の言葉に棘先輩は首を傾げた。でも、確かに棘先輩は呪言師だから虎杖に知ってもらってた方が早かったかも。
「狗巻先輩は今普通に話してるが、栗花落の術式のおかげだ。狗巻先輩は呪言師。言霊の増幅・強制の術式だからな。いつもは安全を考慮して語彙絞ってんだよ」
「なるほど。俺、栗花落と狗巻先輩付き合ってんのかな、って思った」
『先輩に失礼』
「スミマセン」
未だ繋いだままである手をそのままに私は虎杖を見つめた。
「つーことは『死ね』っつったら相手死ぬってこと?最強じゃん」
『だったら五条もう死んでる』
「そうだな。そんな便利なもんじゃないさ。実力差でケースバイケースだけどな。強い言葉を使えばデカい反動がくるし最悪自分に返ってくる。語彙を絞るのは棘自身を守るためでもあんのさ」
「ふーん。で、先輩は何で喋れんの?」
「
「いいんだよ。棘のはそういう次元じゃねーから」
『それに仲間には術式は知らせといた方がいい』
「まあな。んなことより、悠仁。屠坐魔返せよ」
屠坐魔?たぶん、武器の名前っぽいけど。
「五条先生ガ………持ッテルヨ…………」
「…………」
『…………』
「チッ、あのバカ目隠し」
悠仁…壊したのかな。動揺がバレバレ。
「で、どうするよ。団体戦形式はまぁ予想通りとしてメンバーが増えちまった作戦変更か?時間ねぇぞ」
「おかか」
「そりゃ悠仁次第だろ。何ができるんだ?」
パンダ先輩が柱にしがみつく。どういう行動原理なんだろうか、少し気になった。腕を触りながら虎杖は「殴る、蹴る」と答える。
あいにく、それはパンダ先輩のテリトリー。
「そういうの間に合ってんだよなぁ…」
パンダ先輩がポツリとこぼした。
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白い流星ーいずみんー(プロフ) - 桜つゆりさん» コメントありがとうございます!そう言ってもらえて嬉しいです(とても)! (2021年8月12日 21時) (レス) id: 0e37fab493 (このIDを非表示/違反報告)
桜つゆり - 泣きました。感動しました。今まで見てきたクロスオーバーの話の中で1番です。神作です! (2021年8月12日 21時) (レス) id: c5f5202b6b (このIDを非表示/違反報告)
白い流星ーいずみんー(プロフ) - ピコピコさん» 疑問系ですね…、教えてくれてありがとうごさいます! (2021年7月9日 19時) (レス) id: 0e37fab493 (このIDを非表示/違反報告)
白い流星ーいずみんー(プロフ) - わかさん» コメント、ありがとうございます!棘くんが普通に話してたら、毎日キュン死しそう…。これからも頑張ります! (2021年7月9日 19時) (レス) id: 0e37fab493 (このIDを非表示/違反報告)
ピコピコ - 失礼します!44話の「交流会」の話で棘先輩が「なんで過去形?」って言ってるんですけど、疑問形だと思うのですが、確認をよろしくお願いします!! (2021年7月9日 15時) (レス) id: 44294a6bf9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白い流星ーいずみんー | 作成日時:2021年6月2日 20時