呪術世界の蝶の子【呪術廻戦】【鬼滅の刃】

・ ページ47

・



だけど、私の反応は皆の反応と違ったみたい。野薔薇達は「え…マジか。はぁん？」みたいな感情を顔で表現していた。…珠世さんについて来てた愈史郎さんみたいな表現の仕方だな。


『虎杖悠仁？』

「あ、栗花落じゃん」


なんて言おうとしたっけ。一瞬、忘れる。このテンションの高さと感情のわかりやすさ。どこか鬼殺隊の人達(あの人たち)とは違うって今思った。

今言いたいことはそれには関係ないけど。


『虎杖のバーカっ』

「え」

「プフッ、悠仁言われてるね」

『黙ってた五条もばーかっ』

「カナデの馬鹿な言い方は怖くないんだよね〜」


この人、ほんとに真希先輩に一発殴られたら良いのに。


「宿儺の器！？どういうことだ…」

「楽巌寺学長ー！いやー、良かった良かった。びっくりして死んじゃったらどうしようかと、心配しましたよ」

『五条性格悪…』

「糞餓鬼が」


隣で野薔薇が箱を蹴る。「おい」「あ、はい」「何か言うことあんだろ」「え………黙っててすんませんでした…生きてること…」と虎杖が謝罪していた。


その時、私は「あっ」となった。交流会参加していいのか私聞いてない。


『五条、五条』


五条の服の袖をつまむ。


「どうしたの？カナデ」

『私って交流会出ていいの？』

「え？……あ、めんご。間違って任務の資料渡しててさー。カナデは交流会参加だよ」

『そう…』


安心からか少し頬が緩んだ気がした。五条が優しげに微笑んできた。そして、私の頭を丁寧に撫でると言った。


「カナデ、変わったね」

『何が？』

「色々」

『そう』


語りかけて来た五条の声音はやけに優しげで落ち着いていて、それに私はホッとする。遠くから夜蛾学長が来るのが見えた。


『……夜蛾学長怒ってる』

「あ"」


五条、何したの。暫くして夜蛾学長が来た。

京都姉妹校交流会一日目は団体戦″チキチキ呪霊討伐猛レース″。指定された区画内に放たれた二級呪霊を先に祓ったチームの勝利というルール。


「勿論妨害行動もアリなわけだがあくまで君達は共に呪い来た立ち向かう仲間だ。交流会は競い合いの中で仲間を知り己を知るためのもの。相手を殺したり再起不能の怪我を負わせることのないように以上開始時刻の正午まで解散」


これらを言っている間夜蛾学長は五条を締めていた。妥当な判断だと思う。…無下限使わないんだなあ、五条。それを見て笑ってた庵先生とはやっぱり仲良くなりたい。


・

・→←・

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す