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『いる』


何か絶対にいる。目の前には他と変わらず続く廊下。この奥に何かいる。


「やはり2級ですね。後ろにいますから、出来ますね?栗花落さん」

『うん』


彼は付き添いだから、ここからは私が1人で頑張る時間だ。姉さん達もカナヲもいないんだからちゃんと頑張らないといけない。誰かに頼るなんて甘い考え持っちゃいけない。


一歩一歩慎重に進む。元々、目がいいのも幸してか、微かな空気の揺れを目が捉えた。少しブレただけのそこに技を放つ。


ーーー花の呼吸 伍ノ型・徒の芍薬


花が舞う。呪霊の首を私の刀がいとも簡単に跳ねた。後ろから拍手が聞こえる。おそらく、七海からの。


『終わり?』

「そうですね、お疲れ様でした。思ったより早く終わり驚いています」

『そうみえない』

「いつもこんな顔ですからね」


私の術式は呪霊と相性がいい。微かな空気の揺れを見つけれたのも、私の目の良さもあるだろうが術式も関係しているだろう、と七海に言われた。


「貴方の術式はよくわかってないですからね。詳しくわかっているのは、貴方の術式は相手の術式を無効化するということだけ」


七海の言葉にコテン、と首を傾げる。それが全てではないのか?そんな私の反応に七海は苦笑いするだけだった。
その時、グゥウウ、とお腹のチャイムが鳴った。


『……………』

「何か食べに行きますか」

『……いいの?』

「お腹を空かせている人を放っておくほどイカれてませんよ」


そう言われて連れられたのは近くのファミリーレストラン。任務でかなり時間を喰っていたらしく、今は夜の7時前だった。
任務場所に着いたのが5時過ぎだっのでもう一時間以上経っている。七海からは最初にしては上出来と褒められたがもっと、頑張れる気がしてならない。


『ラムネ、食べたい』

「ここレストランですよ?しっかりしたものを食べてください」


そう言われてメニュー表を見せられる。ジッと見つめて私の目に止まったのはハンバーグだった。なんか、美味しそう。
……そういえば、アオイ料理上手だったな。和食は勿論だけど、頼めば洋食も作ってくれた。それでも、片手で数えるほどな気がするけど。
でも、どれもとても美味しかった。


ハンバーグが運ばれてくる。赤いソースがかかっていて、何故か日輪と重なった。希望の象徴のようなその形に魅せられた気がした。


『……美味しい』

「それは良かった」


目の前で七海が優しく笑った。



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白い流星ーいずみんー(プロフ) - 桜つゆりさん» コメントありがとうございます!そう言ってもらえて嬉しいです(とても)! (2021年8月12日 21時) (レス) id: 0e37fab493 (このIDを非表示/違反報告)
桜つゆり - 泣きました。感動しました。今まで見てきたクロスオーバーの話の中で1番です。神作です! (2021年8月12日 21時) (レス) id: c5f5202b6b (このIDを非表示/違反報告)
白い流星ーいずみんー(プロフ) - ピコピコさん» 疑問系ですね…、教えてくれてありがとうごさいます! (2021年7月9日 19時) (レス) id: 0e37fab493 (このIDを非表示/違反報告)
白い流星ーいずみんー(プロフ) - わかさん» コメント、ありがとうございます!棘くんが普通に話してたら、毎日キュン死しそう…。これからも頑張ります! (2021年7月9日 19時) (レス) id: 0e37fab493 (このIDを非表示/違反報告)
ピコピコ - 失礼します!44話の「交流会」の話で棘先輩が「なんで過去形?」って言ってるんですけど、疑問形だと思うのですが、確認をよろしくお願いします!! (2021年7月9日 15時) (レス) id: 44294a6bf9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白い流星ーいずみんー | 作成日時:2021年6月2日 20時

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