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「じゃーん!!脱サラ呪術師の七海君でーす」
「その言い方やめてください」
五条に紹介されたのは金髪の七三わけが特徴的な男性だった。脱サラってなんだろう?私はコテン、と首を傾げる。
「呪術師って変な奴多いけどコイツは会社勤めてただけあってしっかりしてんだよね」
『五条には言われたくないと思う』
「え、なにが?」
「確かに他の方もアナタに言われたくないでしょうね」
『うん。五条が1番狂ってる』
「泣くよ??」
少し話し方がしのぶ姉さんに似ている。まあ、しのぶ姉さんは最初から敬語みたいな感じじゃなくてもっと砕けてたけど。カナエ姉さんが死んでから敬語を使って自分を隠すようになってた。
「初めまして、栗花落さん。私が高専で学び気づいたことは呪術師はクソと言うことです」
『…………』
「そして一般企業で働き気づいたことは労働はクソと言うことです」
『ここまで来るといっそ清々しい…』
私は思わずポカンとした。そして、また姉さんの面影を彼に重ねる。どこか、懐かしいなあ。……会いたいな、姉さん達に。
「同じクソならより適性のある方を出戻った理由なんてそんなもんです。栗花落さん、私と五条さんが同じ考えとは思わないでくださいね。私はこの人のことを信用しているし信頼している。でも、尊敬はしてません」
「あ"あ"ん?」
『確かに五条はクソだから…』
「ねえカナデ?流石の僕も泣いちゃうよ?」
『ウザイ男は嫌われるって言ってた』
「ちょっと??」
「僕モテますけど〜、ア"ア"ン?」とか言っている五条。でも、昔しのぶ姉さんが冨岡さんは嫌われてるって言ってた。冨岡さんは煩くなかったけど、口下手だった。1の言葉から10の意味を見つけ出せ、みたいな人だった。
『……七海さんっていつもソレ言ってるの?』
「出会った人には必ず言ってます」
『そう』
「貴方こそいつもそんなに笑ってるんですか?」
『これは癖だから』
「そうですか」
暫く七海さんと話した後、まだ1人喚いている五条を冷めた目で見つめていると、五条がこちらを向いた。
「カナデ、任務は七海が知ってると思うから七海に聞いて。僕、任務がこれから入ってたんだった」
『わかった。……頑張って』
「カナデの見送り久しぶりに貰った気がするよ、じゃあね〜」
ヒラヒラ、と手を振って消えた五条を手前に私と七海は暫くの間黙っていた。時透さんといる時と同じくらい気まずい。
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白い流星ーいずみんー(プロフ) - 桜つゆりさん» コメントありがとうございます!そう言ってもらえて嬉しいです(とても)! (2021年8月12日 21時) (レス) id: 0e37fab493 (このIDを非表示/違反報告)
桜つゆり - 泣きました。感動しました。今まで見てきたクロスオーバーの話の中で1番です。神作です! (2021年8月12日 21時) (レス) id: c5f5202b6b (このIDを非表示/違反報告)
白い流星ーいずみんー(プロフ) - ピコピコさん» 疑問系ですね…、教えてくれてありがとうごさいます! (2021年7月9日 19時) (レス) id: 0e37fab493 (このIDを非表示/違反報告)
白い流星ーいずみんー(プロフ) - わかさん» コメント、ありがとうございます!棘くんが普通に話してたら、毎日キュン死しそう…。これからも頑張ります! (2021年7月9日 19時) (レス) id: 0e37fab493 (このIDを非表示/違反報告)
ピコピコ - 失礼します!44話の「交流会」の話で棘先輩が「なんで過去形?」って言ってるんですけど、疑問形だと思うのですが、確認をよろしくお願いします!! (2021年7月9日 15時) (レス) id: 44294a6bf9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白い流星ーいずみんー | 作成日時:2021年6月2日 20時