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受け身ですることがなくなったと言われて護身術を習うことになった。といっても、それもかなり簡単なやつだった。
「カナデは運動神経がいいのかな〜」
なんでのんびり言っているのは五条。私に向かって軽くパンチしてくるのを腕を使って流しながら軌道を逸らす。五条は相手が男だったら遠慮なく急所を狙えって言っていた。中途半端はダメらしい。
私は狙いを定める。後少しで届く、と言うところで五条の姿が消えた。五条の腕を掴んでいた私は支えるものがなくなってトンッと床に落ちた。
「遠慮なく狙ってきたね。ヒヤッとしたよ」
後ろから聞こえてくる声に振り向く。五条が言ってた瞬間転移か。
『飛ぶのはいけないと思う』
「遠慮なく急所を狙う君に言われたくないね」
『遠慮なく狙えって言ったのは五条』
「確かにそうだけど…」
はあ、と遠慮なく溜息を吐いた五条を私は思わず冷めた目で見た。その時、思い出したことがあって五条の袖を引く。「ん?」と言う声と共に五条が首を傾げた。あ、デジャヴ。全然可愛くない。
『茶飲み、用意して』
「なんで?」
『反射神経鍛えるの』
「君の思考回路どうなってるの?」
『…………いいから早く』
そう言うと五条は少し納得いかない顔で茶飲みを用意をしてくれた。といっても、五条から護身術を覚えてからね、と言われたので暫くは反射訓練…機能回復訓練もできない。
早く護身術を覚えないと。
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「うん、動き結構良くなってるよ」
五条が私の攻撃を交わしながらそう言う。私はそれに反応せずに攻撃を続けた。話している暇があったら、早く完璧にして終わりたい。
少しずつ呼吸の練習もしてるけどやっぱり完璧じゃないから、こっちも練習しないと。
「はーい、ストップ」
パシリ、と手を掴まれる。今日の練習はここまで、と言うことだ。
『ありがとうございました』
「うん。僕カナデの礼儀正しいところ好きだよ」
『そう。私も五条のお金の払いがいいところ好き』
「正直でよろしい」
頭を撫でられる。暖かくて、優しく撫でてくれる。それがどこかカナエ姉さんに似ていて少し心がポカポカした。
『五条まだ時間ある?』
「あるよ。どうしたの?」
『柔軟と鬼事に付き合って』
そう言うと五条はニッコリと笑って了承してくれた。私が悲鳴をあげても柔軟をやめるな、と伝える。私の体はカナヲに比べてかなり硬かった。今世でも体の硬さは否定できない。
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白い流星ーいずみんー(プロフ) - 桜つゆりさん» コメントありがとうございます!そう言ってもらえて嬉しいです(とても)! (2021年8月12日 21時) (レス) id: 0e37fab493 (このIDを非表示/違反報告)
桜つゆり - 泣きました。感動しました。今まで見てきたクロスオーバーの話の中で1番です。神作です! (2021年8月12日 21時) (レス) id: c5f5202b6b (このIDを非表示/違反報告)
白い流星ーいずみんー(プロフ) - ピコピコさん» 疑問系ですね…、教えてくれてありがとうごさいます! (2021年7月9日 19時) (レス) id: 0e37fab493 (このIDを非表示/違反報告)
白い流星ーいずみんー(プロフ) - わかさん» コメント、ありがとうございます!棘くんが普通に話してたら、毎日キュン死しそう…。これからも頑張ります! (2021年7月9日 19時) (レス) id: 0e37fab493 (このIDを非表示/違反報告)
ピコピコ - 失礼します!44話の「交流会」の話で棘先輩が「なんで過去形?」って言ってるんですけど、疑問形だと思うのですが、確認をよろしくお願いします!! (2021年7月9日 15時) (レス) id: 44294a6bf9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白い流星ーいずみんー | 作成日時:2021年6月2日 20時