こんなはずでは 1 ページ9
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『…見ましたか??』
「え…いや、えっと…」
混乱と恥じらいが混ざる中、イデアさんに詰め寄って先程の確認をする。
そんな彼は目線が泳ぎまくっていて廊下の壁の方まで下がりたじろいでいた。
もう絶望的だしバレてるだろうけど…
僕は認めたくない!!
不本意で男として育てられたけど、女だからって不利になりたくない。
僕は僕だけど両親が愛してくれるのは男としてのA・ランドレだから。
頭の中がぐちゃぐちゃになって目に涙がたまるが、我慢も虚しく溢れ出てしまう。
『ひっ…ぐ…うぅ…』
肩を震わせて泣いているのを見られたくないので背を向けると、しばらく間が空く。
涙が止まらないまま俯いていると後ろからおずおずと手が伸びてきた。
僕の身長なんてちっぽけなくらいの差でイデアさんが包み込んでくる
そしてゆっくりと口を開いた。
「誰にも言わないから…
だから僕の前で泣かないで」
そう呟いたイデアさんはどこか苦しそうで思わず何も言えなくなる。
この人は僕の事を
僕自身を見てくれているのかな
しばらく経ってから解放され、お互い向き合うが言葉が出てこない
けどその沈黙をイデアさんが変えてくれた。
「あ…A。
性別のこと秘密にするから僕に頼れる事があったら汚いけど自室に来ていいよ。
見ちゃった責任はとる。
あ、…あと、さっきは嫌味な態度とってごめん。
オルトを取られる気がして怖かった」
早口で喋るだけ喋ってからそそくさと購買の方へ歩き出す。
あ…名前で呼んでくれたな。
そう思っただけで僕はただ頷くことしか出来なかった
そもそもイデアさんが抱きしめてくれるなんて一面があることも知らなかったし、こんな優しくされる理由なんて無い。
普通ならバラして面白い展開に持っていくことだって出来たはずだ。
それなのに彼はそんな事をしなかった。
どこか憂いを帯びた表情で確かに僕を心配してくれた。
助けてくれた
『ごめんなさいは僕の方です。
…これから迷惑かけるかもしれませんが改めてよろしくお願いします』
聞こえているか分からないイデアさんにもう一度深く頭を下げて、一緒に購買まで向かっていった
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明輝(プロフ) - かなさん» かなさんありがとうございます！更新頑張りますね！これからも応援よろしくお願いします(´ω`) (2021年2月5日 3時) (
レス) id: 98167b3334 (このIDを非表示/違反報告)
かな - 設定も内容も面白いです！(*・∀・*)更新楽しみに待ってます！！頑張ってください！ (2021年2月5日 1時) (レス) id: b5c2fa1cdc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：明輝 | 作成日時：2021年2月3日 14時
