過去 ページ11
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私が産まれたランドレ家。
そこには私より1つ年上の兄が居て、時期跡取りになるはずだった。
「ごめんね…僕…もう生きていられないみたい。
A。僕が居なくなってもランドレの家を…僕の生きていた証を守って欲しい」
この言葉を最後に兄は他界した。
私は6歳
兄は7歳だった。
泣き叫ぶお母様と呆然とするお父様。
まだ誰かが亡くなるという意味がよくわからなかった私。
白くて冷たくなった兄の体を揺さぶるも反応がなく、少し怖かったのだけ覚えている。
そこから1ヶ月。
ランドレ家には重たい空気が流れ、葬儀が終わったあと少し経ってからお母様とお父様から呼ばれて向かった部屋には無数の兄の遺品が並べられていた。
お母様は私の肩を掴んで言う。
｢貴方はランドレ家の跡取り息子よ｣
目は血走っていて息が荒い。
それをお父様が止めてくれる訳もなく、手に持っていたハサミで産まれた時からのばしていた長い髪を
私が女だった象徴をバッサリと切られた。
そこからお母様は私を兄として扱い、言葉遣いも立ち振る舞いも全部兄を模範として教育された。
女に学は必要ないという、古い考えが私の国にあったから勉強なんてした事がなかったけどそこから毎時間毎時間様々な教科に体作り。
武術、乗馬等を習わされた。
お陰で頭も良いし体も強くてそこら辺の女の人にモテるくらいには成長したけど、僕って呼ぶのも
10歳をこえてから膨らんだ胸を潰す生活にも嫌気が差していた。
だからこの家から抜け出せるって分かった時、嬉しさ反面、これからも男として
兄として生きていかなきゃいけない事実が僕の心をきつく締め付けた。
唯一残されたAの名前だけが僕を証明してくれる。
兄とは仲が悪かった訳では無いからいつも忙しくても僕と遊んでくれた兄の事は大好きだったし、病気にかかってからの兄も優しくてまだ幼かった僕の心の支えになっていた。
でも、だからって僕は兄ではない。
僕は…いや、私は女なんだ。
将来大好きな人と恋愛結婚して幸せな家庭を築きたかった。
王族だからそんな事は出来ないって分かってても、女の人として夢を見させて欲しかった。
兄が憎いわけじゃない。
お母様もお父様も大好き
でもあの日から僕の時間は止まったまま。
誰も、だれも僕を見てくれない。
カタカタ震えて目が血走りながら私の肩を掴んだお母様。
手に持ったハサミで私の髪を切ったお父様。
これから先決して許すことは無いだろう。
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明輝(プロフ) - かなさん» かなさんありがとうございます！更新頑張りますね！これからも応援よろしくお願いします(´ω`) (2021年2月5日 3時) (
レス) id: 98167b3334 (このIDを非表示/違反報告)
かな - 設定も内容も面白いです！(*・∀・*)更新楽しみに待ってます！！頑張ってください！ (2021年2月5日 1時) (レス) id: b5c2fa1cdc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：明輝 | 作成日時：2021年2月3日 14時
