18【WN】 ページ18
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『お母さんが…事故にあって、それで病院に行って…っ、』
…手震えてんじゃん。
泣くのも我慢して俺の方を見ようとしない。
今にも壊れそうなこいつを見て、考えるよりも先に体が動いてた。
俺もそうだったから。
誰かに頼ろうとしないで一人で抱えようとするところ、俺とよく似てる。
しかも、この状況で今日の練習のことも気にしてる。
…人の命より大事なものなんて無いだろ。
泣いてスッキリしたのか、今度はボーッと座ってる。
目真っ赤だし、元々綺麗な顔なのに今はお世辞にも綺麗とは言えない。
俺は少し離れた隣に座る。
なんでそんな話をしたのか自分でも分からないけど、
気づいたらお母さんの話をしてた。
誰かにこんな話をしたのは久しぶりだ。
「奇跡だよな、人が生きてるって」
俺がそう言った時、一瞬寂しそうな顔をしたように見えた。
『ご迷惑おかけしてすみませんでした』
まだ目が少し腫れたまま練習室に入ってきた。
DK「ヌナ!どこ行ってたの!?」
MG「目が…大丈夫?」
VN「これ使って」
渡していたのはホットアイマスク。
『あ、ありがとう。皆、ごめんなさい。急な用事が入って…』
JH「今日がどれだけ大事な日かわかってる?
それよりも優先する用事ってなに?」
WZ「…言いたくないのか?」
静かに頷くA。
お母さんのせいにしたくないんだろ。
…言わないと自分が責められることは分かりきってるのに。
JH「なんだよそれ」
HS「なんの理由もなくすっぽかすような人じゃないじゃん」
SC「俺たちの足を引っ張ったら辞めてもらうって言ったよな?」
その場の空気がピリッとする。
SC「これは警告だから。次同じようなことして迷惑かけたらその時は分かるよな」
『はい。すみませんでした』
さっきまで消えそうなくらいだったのに、今は怯むことなくうちのリーダーの前に立ってる。
SC「何かあったら連絡は必ずしろ、心配かけんな」
『はい。私、靴持ってきますね』
部屋に練習靴を取りに行ったA。
JH「はあ。クプス許すの?」
SC「…Aの目見ただろ。なんかあったんだろ」
JH「でも無責任じゃない?」
…ごめんA。俺が耐えられなそうだ。
「お母さんが事故にあったみたい」
みんな「?」って顔してる。そりゃあそうだよな。
俺はさっき外で聞いたことをみんなに話した。
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ちー(プロフ) - ういさん» コメントありがとうございます。少しずつ投稿し始めたのでまた見ていただけたら嬉しいです。 (5月7日 0時) (レス) id: b1330039d6 (このIDを非表示/違反報告)
うい(プロフ) - どんな展開が待っているのか楽しみながら読んでます!続編も楽しみにしてます! (4月16日 21時) (レス) @page50 id: b4144fdbab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちー | 作成日時:2023年12月9日 22時