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教室に入ると痛いくらいの視線が突き刺さる


それを一瞥して席へ向かうと


「おはよう、Aちゃーん」


土屋が私の席に座っていた


『…おはよう』


昨日の今日で少し気まずくなるかと思ったが相手はそうではないようだ


「今日あいつ来てないじゃん」


あいつ、とは長谷川さんのことか


『だね』


鞄を机に置くが、全然どいてくれない


『どいてくんない?邪魔』


「あのさ、なんでうちの学校来たの?」


笑顔を崩さずに尋ねてくる


『なんでって…』


「なんで女優引退したの?すごい人気だったじゃん」


『別に私が何をしようが土屋くんに関係ない』


苛立っていたせいで投げやりな言い方になってしまった


「何か言えない事情でもあるの?」


『何もないけど』


「なら聞かせてよ。なんでー、人気すごいあったのにー、辞めちゃったのか」


この人は、人を怒らせる天才だと思うんですけど


『…事務所の人に口止めさせられてるから』


「ふーん。さっきは事情なんかないーって言ってたのにね」

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作者名:みるく | 作成日時:2019年2月23日 1時

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