3-1▽訓練 ページ17
｢ケロ、おはようAちゃん｣
｢つゆちゃん。おはよ｣
教室に入ると、梅雨ちゃんが挨拶をしてくれた。友達って感じがする。嬉しい。
通学路から廊下まで、焦凍に手を引かれて歩いた。教室の扉を開ける時に手を離して、それからは繋いでいない。
自分の席に焦凍が持ってくれていた私のリュックサックが置かれてある。そのまま梅雨ちゃんの席で立ち留まった。
｢つゆちゃん、昨日はごめんね｣
｢ケロっいいのよAちゃん、話したくなったらいつでも言ってね。相談してくれると私も嬉しいわ｣
｢うん、ありがとう｣
昨日のことを謝れて良かった。せっかく仲良くなれそうだったのに、逃げてしまったから。けれどあれは突っ込まれたくない領域だった。それを分かってくれるとありがたい。
時間に余裕を持って登校してきた。教室を見渡していると、梅雨ちゃんに｢誰か探しているの？｣と聞かれた。特に誰かを探していたわけでもないので首を横に振り、焦凍の席に行くか迷った。
｢あ、いた！猫宮Aちゃん！｣
｢……？｣
｢切島鋭児郎！俺、Aちゃんのこと昨日からすっげぇ気になってて！｣
｢おい抜けがけすんなよ！俺は上鳴電気！今度一緒に飯行かね？｣
ずいっと現れたのは赤い髪の人と黄色い髪の人。
昨日は女子としか話さなかった。男子から声をかけられるのは新鮮で、少し動揺してしまう。中学の時は焦凍が近付けさせまいとガンを飛ばしていたから、女子はまだしも男子から話しかけられることなどほとんどなかった。
何と返せばいいのだろうと困っていると、何故か怖い人と目が合った。教室全体をちらりと見渡しただけなのに。もしかして、もとよりこちらを見ていた？
｢ん？……あ、爆豪がどうした？｣
｢あ、いや……｣
目が合っただけですとも言えず戸惑っていると、梅雨ちゃんが｢Aちゃんは恥ずかしがり屋さんなのね、ケロ｣と言った。決して恥ずかしがっているわけではなく、男子と話した経験がないから困っているだけ。
焦凍は……と目を逸らそうとした時、BOM！と爆発音がした。
｢教室でナンパしてんじゃねぇよ目障りだ死ね！｣
｢え、別にいいじゃん。てか爆豪も昨日Aちゃんのことすっげぇチラチラ見てたじゃん｣
｢そう怒んなって〜お前もいれてやるからさ！｣
｢はぁあ！？誰がこのチビ猫女を見てたって！？こんなクッソ弱そうな奴を！！｣
え、何でこの人キレてるの怖い……それにやっぱ声が大きくて苦手だ。うん、逃げよう。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 751人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
二 - イラスト上手すぎる、、。 (2021年5月5日 7時) (
レス) id: f6d5c08391 (このIDを非表示/違反報告)
こたつゆず(プロフ) - 絵上手すぎです!!尊敬します!!私下手くそすぎてやばいので教えて貰いたいくらいです!! 師匠と呼んでいいですか? (2018年10月7日 20時) (レス) id: 3780c963fa (このIDを非表示/違反報告)
影猫(プロフ) - 花さん» お褒めの言葉ありがとうございます……！嬉しいです(*´ω｀*)トプ画も一応考えていたんですけど、あっという間に続編に……イラスト更新と本編の更新は別々になりそうです。トプ画の件も考えておきます、貴重なご意見ありがとうございます！ (2018年4月30日 0時) (レス) id: 3f1a8429d6 (このIDを非表示/違反報告)
花 - 絵、上手ですね！こういう感じの絵って大好きです！タイトル(?)の所に画像載せれるんですけど、描かないんですか？私はいいと思いますけど…時間があるときに考えて頂ければ幸いです！どうかご検討お願いします。長文失礼しました！((更新頑張って！ (2018年4月28日 22時) (レス) id: 3fabea4b64 (このIDを非表示/違反報告)
影猫(プロフ) - 鈴木美妃さん» コメントありがとうございます。申し訳ございませんが、現在夢絵のリクエストは受け付けておりません。もう少し描き慣れて、時間が余っていましたらご連絡しますm(_ _)m (2018年4月18日 19時) (レス) id: 3f1a8429d6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：影猫
| 作成日時：2018年4月7日 17時
