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「はぁああ歩き疲れた……こんなに歩いたの久しぶりだよ」
「結構買いましたねAさん、そんなに持って帰れるんすか?」
「んー、車で来たし多分帰りも車なんじゃないかな……」
ゾムへのお土産や気に入った雑貨を買い、宿屋に戻ってきたのは夕方だった。何故かショッピくんが部屋の中まで入って来ているが、今日一日とてもお世話になったし、あからさまに追い出すことも出来ない。どうしようかなあなんて呑気に思いながら、座椅子に座った。
夕食は宿屋の方で用意してくれるらしい。女湯も好きな時間に利用なさいと言ってくれている。
ショッピくんが帰ったら、先にお風呂に入ろうかな。
「ショッピくん、地元なんだよね。実家?はどの辺にあるの?ここから近いの?」
「いや、実家ここなんで」
「え?」
「だから、この宿屋。実家なんすよ」
え?ともう一度聞き直すと、大きなため息を吐かれた。なんだなんだ、そんなこと聞いてないぞ!……って、今聞いたか。言葉にすればきっと「はあ?」なんて言われてしまう。
あー、そうなんだ……と話を流し、目を逸らす。
まさか今日はここで寝るとか言い出さないよね?ショッピくんのお部屋は別にあるよね?実家経営でも、裏にお家あるよね?
「いやいやここでは寝ませんよ?部屋は別にあるんで。Aさん、一緒に寝てほしいんすか?」
「えっ……あ、いや、大丈夫デス」
何で心読まれたの……と考えていると、「顔に書いてるっす」とまた言われてしまった。
ポーカーフェイスは得意な方だと思っていたのに、顔に出やすいタイプだったのか私……!思い込みって良くないんだなぁ。
「まあ一緒に寝てほしかったとしても寝ませんけどね」
「じゃあ何で聞いたの……!?」
「……俺死にたくないですし。Aさんと寝るのはリスクが高過ぎます」
「……?」
死にたくない、リスクが高い……何の話だろう。
まあいいや、と視線をまたお土産に移した。
うんうん、これとかゾムが好きそうだ。早く、早く渡したいなぁ。
ゾムは今頃何処で何をしているのだろう。
もう仕事かな、まだ移動してるのかな。体調悪くなってないかな、怪我してないかな。……一緒じゃなきゃ、不安だな。
「……共依存」
「ん、ショッピくん何か言った?」
「いえ、別に。そろそろ夜ですし、俺帰りますね。一応、何かあったら母にでも言ってください」
「うん、今日はありがとう」
じゃあ、と立ち上がったショッピくんに、ひらひらと手を振った。
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影猫(プロフ) - トウマさん» ありがとうございます!私もヤンデレ好きです(笑)今度ガチもんのヤンデレも書いてみたいです。更新頑張ります……! (2018年3月8日 3時) (レス) id: 3f1a8429d6 (このIDを非表示/違反報告)
トウマ(プロフ) - 影猫さんのゾさんがめちゃくちゃ好きです…ヤンデレが大好物なので()更新頑張ってください! (2018年3月7日 22時) (レス) id: a615484a47 (このIDを非表示/違反報告)
きゃらめるそーす(プロフ) - 影猫さん» 了解ですっ (2018年2月23日 13時) (レス) id: 7e83d7a6cd (このIDを非表示/違反報告)
影猫(プロフ) - きゃらめるそーすさん» コメントありがとうございます。ついったでフォロー申請送って頂いた方でしょうか?誤操作で蹴ってしまったので、申し訳ございませんがもう一度送って頂けないでしょうかm(_ _)m (2018年2月23日 13時) (レス) id: 3f1a8429d6 (このIDを非表示/違反報告)
きゃらめるそーす(プロフ) - 影猫様のゾム氏がかっこよすぎて禿げそうになるぐらい悶えてますwこれからも頑張ってくださいっ!応援してますっ (2018年2月23日 13時) (レス) id: 7e83d7a6cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:影猫 | 作成日時:2018年1月8日 18時