18-1▼偽言 ページ1
｢ぁ……えっと、……｣
リビング手前の廊下の壁からおそるおそる出てきたAは、ばつが悪そうな顔をした。
盗み聞きするなんて悪いコだけど、それを知った上でああいうことを言ってみるおれもおれだ。
ずっと気付いてないフリをしていたけれど、Aがお手洗いに行きたくて席を立ったわけではないと分かっていたし、リビングの前で立ち止まっておれとトントンの会話を聞いていたのも知っていた。
Aは隠れていたつもりなのだろうけど、気配は隠せ切れなかったようだ。いや、一般人にしては上手い方だっただろう。軍人には通用しなかったというだけ。あれくらいなら、トントンもどこかのタイミングで気付いていたはずだ。
｢A、お腹痛かったん？｣
｢へ、？｣
Aの可愛い間抜けた声を聞いて、ふっと微笑みかけた。
知らないフリを続けた。
Aは戸惑っているのか、どうしたらいいのか分からないのか、きゅっと口を紡いでおれから目を逸らした。
いちいちそんな可愛い反応をするから、意地悪したくなるのだ。
｢なかなかトイレから出て来んから、体調悪いんかなって心配してたんやけど……｣
｢ぇ、あ、ううん……大丈夫｣
AもAなりに、その小さな頭で一生懸命考えているのだろう。
バレてなかった？それとも気を遣われた？……なんて考えているのかもしれない。
何事もなかったかのように立ち上がると、トントンは早くも察したのか小さくため息を吐いた。
そしてまた何も知らないフリをして、いつもの調子でAに話しかける。
｢そう？……っと、また少し出てくるから。トントンのとこに同棲手続きの書類貰いに行ってくる｣
｢…………長居してすまんなぁAさん。お邪魔しました｣
｢あ、いえ……｣
ぽかんとしたAを一人残し、家を出てバタンと扉を閉めた。
一緒に家を出たトントンは、大きなため息を吐いて｢ゾムって怖いな……｣と呟いた。いやいや、おれは全然怖くないしむしろ優しい方だと思うけど？
……それにしてもAのあっけらかんとしたあの顔は最高だった。
あー、帰ったらどうしてやろう。泣きついてくるか、寂しそうにいじけてしまうか、はたまた病んでしまうか。
｢ゾム、Aさんが盗み聞いてるの最初から気付いてたやろ｣
｢可愛いから放置してただけ。Aがその場に居ないという設定でトン氏と話してみたんやけどさ、……あぁやっぱおれのお嫁ちゃん可愛いなぁって！んふふ……｣
｢うわぁ……｣
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影猫(プロフ) - トウマさん» ありがとうございます！私もヤンデレ好きです(笑)今度ガチもんのヤンデレも書いてみたいです。更新頑張ります……！ (2018年3月8日 3時) (
レス) id: 3f1a8429d6 (このIDを非表示/違反報告)
トウマ(プロフ) - 影猫さんのゾさんがめちゃくちゃ好きです…ヤンデレが大好物なので（）更新頑張ってください！ (2018年3月7日 22時) (レス) id: a615484a47 (このIDを非表示/違反報告)
きゃらめるそーす(プロフ) - 影猫さん» 了解ですっ (2018年2月23日 13時) (レス) id: 7e83d7a6cd (このIDを非表示/違反報告)
影猫(プロフ) - きゃらめるそーすさん» コメントありがとうございます。ついったでフォロー申請送って頂いた方でしょうか？誤操作で蹴ってしまったので、申し訳ございませんがもう一度送って頂けないでしょうかm(_ _)m (2018年2月23日 13時) (レス) id: 3f1a8429d6 (このIDを非表示/違反報告)
きゃらめるそーす(プロフ) - 影猫様のゾム氏がかっこよすぎて禿げそうになるぐらい悶えてますwこれからも頑張ってくださいっ！応援してますっ (2018年2月23日 13時) (レス) id: 7e83d7a6cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：影猫
| 作成日時：2018年1月8日 18時
