111＊ぬいぐるみ ページ22
｢じゃあ、二時間後同じ場所に集合で｣
｢了解｣
門の前で別れた兄さんは、先にY商業国の栄えた街に行ってしまった。
Aも早く早くとうずうずしている。
少し笑いもう一度手を差し出せば、嬉しそうに指を絡めてきた。
｢んじゃ、行こか｣
｢うん！｣
前に来た時にAの狼の姿を初めて見たんだっけ。
最近見てないし、また見せてくれたりしないだろうか。
久しぶりに見る街は変わらず賑やかで、Aはやはり慣れないのかキョロキョロ辺りを見渡している。
｢おつかいのケーキ屋は最後に行こか。A、好きな店行ってええよ。今日くらいは何でも買ってやるから｣
｢ありがとうゾム…！じゃあね、えーっと……｣
あ！と声を上げて、グイグイと手を引かれる。
Aが向かったのは雑貨屋。
いかにも女の子らしいというか、まあAが好きそうな感じ。
もちろん自分は興味ないが、Aが行きたいなら着いて行くしかない。
｢いらっしゃいませ〜！わぁ！すごく可愛い子ね……！｣
｢？｣
店に入るとすぐそこに店員が居たらしく、Aを見るなり目を輝かせた。
まるで絵本から出てきたような服を着ているものだから、多少目立っている。
同時におれがAの隣に立つのは似合わないような気もしてきて、複雑な気持ちだ。
｢そちらは彼氏さんですか？｣
｢へっ……彼氏……、｣
｢ですよね！！カップルでお出かけですか！？いいですね〜！｣
店員に絡まれ、すすーっと目を逸らす。
彼氏、彼氏……と脳内に言葉が響く。
そうか、彼氏……ってことになるのか、おれ。
途端に頬に熱がこもり、すぐにフードを被り直した。
Aはと言うと、いつの間にか手を離して店内をうろつき回っている。
(……彼氏、な)
本当に、おれで良かったのだろうか。
おれはAじゃないと駄目だと思う。
……だからAも同じであってほしい。
｢ゾム！｣
｢！……A、｣
｢これ、欲しい……な、？｣
何の動物かよく分からないぬいぐるみを抱えていたAは、おねだりしているのか上目遣いで小首を傾げ、じーっと見つめてくる。
……どこで覚えたんだそれ、そんなの聞いてない。
｢んん……ええよ、何でも買ったるわ｣
｢ほんと！？ゾムだいすき〜！｣
｢、！！｣
ぎゅーっと抱きつかれ、今居る場所が店内であることを忘れかけた。
我に返り、店内を見ると店員がニヤニヤしながら影から見ていた。
……普通に恥ずかしい。
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りこち(プロフ) - \( 'ω')/ｴﾝﾀﾞｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｲﾔｧｧｧｧｧｧｧｧ (2021年3月16日 13時) (
レス) id: 7094782543 (このIDを非表示/違反報告)
ひとほ(プロフ) - おわたああああああああぁぁぁ！ありがとうございました!!!!!!!!!これからもよろしくお願いします！（これからも見るので） (2021年3月6日 9時) (レス) id: 542167216b (このIDを非表示/違反報告)
宙(プロフ) - ただひたすらにときめきました！ああああああ2人が可愛すぎるううう (2020年8月25日 1時) (レス) id: a1083db659 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっきい - んううああああああ！嬉しみいいい！！！！ (2017年11月5日 15時) (レス) id: f1013ba797 (このIDを非表示/違反報告)
影猫(プロフ) - 留さん» コメントありがとうございます。そのように言って頂けてとても嬉しいです…！他作品、次回作でもぜひよろしくお願いします。ご愛読ありがとうございました！ (2017年11月4日 13時) (レス) id: 8114bfeb32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：影猫
| 作成日時：2017年8月27日 0時
