＃18 ページ19
現在
「A、のめり込みすぎだ」
目の下に隈ができるくらいには寝ていなかった。
それをみて流石ののぶも私を止めた。
『……私は、シンちゃんとは違う。殺されたあの人の為に何もしてこなかった。
だから、今回は必ず』
あの男を殺したい。
シビュラシステムなんて関係ない。
私の手でこの因縁を終わらせてみせる。
「A、対象が今街頭スキャナーに引っかかった」
…やっと動き出したか。
『私が向かう』
「常守、ついて行ってやれ」
『いや、一人で行く』
「ダメだ。1人でなんて行かせられない！！」
1人で行くと言うも、のぶはそうはさせないつもりだ。
「なら、俺が行く。猟犬1人くらい連れて行け」
私が朱ちゃんを連れていくのを聞きそうになかったことが分かったのか、シンちゃんが同行を求めた。
……これは、私のケジメだ。
いや、私が本当に求めているのはそんな事じゃないのかもしれない。
『監視官権限を使わせてもらう。全員待機ね。それじゃ』
「……白石ｯ！！！」
私は車でその場所へと急いだ。
監視官権限なんて初めて使ったな。なんて思いを馳せながら。
『……見つけた』
「なんやぁ、見つかってしまったんか。部下は犯罪係数すごかったやろ？？」
『……全員300越え、よく今まで見つからなかったね。』
全員エリミネーターで執行した。
残りは、彼だけ。
私は彼にドミネーターを向けた。
【犯罪係数48、執行対象ではありません。トリガーをロックします】
『……ははっ、やっぱり？そうだと思った』
私と同じ、何をしてもクリアな人。
そうでなければあんな犯罪出来ないでしょう。
ﾄﾝｯ
彼はナイフを私の元に転がした。
「それで俺を殺してみ。そしたら、Aちゃんの復讐は終わるな？」
『復讐？何言ってるのかわかんない』
私は懐から拳銃を取り、
ﾄﾞﾝｯ
男の右肩をぶち抜いた。
「いっ……はははっ！ほんまおもろい！！なんでそれ持っとるん！！」
『これ？あなたの部下の1人のだけど。
ところで今から、どういう目にあうか分かる？』
私はナイフを拾い、足のアキレス腱を切った。
「っぐ……」
あまりの痛みに、彼は意識を失ったみたい。
『……それじゃあ、行こっか。』
私は彼の腕を持ち引き摺り歩いた。
重いけど仕方ない。
人目に付いちゃ困るもの。
これはただの好奇心。復讐とかそういうのじゃないよ。
私は人を殺せるのか、試したいだけ。
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作者名：うさぎZ x他1人 | 作成日時：2017年12月17日 0時
