＃17 ページ18
部屋に籠っている時、のぶや青ちゃんが見舞いに来た。
でも、なんだか顔を合わせづらくて、ようやく今日シンちゃんと顔を合わせた。
『あれから、どうなったの？』
そんなこと聞いても仕方ないのに、聞きたくなる、刑事の
「あの後、女の監視官が立て続けに3人殺された。今の公安にお前と青柳以外の女性監視官はいなくなった」
『……そうなんだ』
「大丈夫か？……いや、大丈夫なわけないか。悪い」
…シンちゃんが人を慰めるなんて珍しいこともあるんだ。
本当に優しい人だ。
『親が殺されて施設に連れていかれた時もこんな感じだったの。……生きていることが辛いのに、孤独になったのが辛いのに、
どうして私の色相は濁らないの』
もう何日も寝ていないのに、あの状況を思い出して何度も吐いているのに
シビュラは私を正常だと言う。
シンちゃんは私の頭を優しく撫でて、
そのまま私を包み込むように抱きしめた。
そうして背中をさすってくれた。
そんな中、私は考えていた。
……復讐など考えてはいなかった。
1週間、部屋に籠ってやっとわかった。
《どうでもいい》
シビュラシステムが私にとっての障害となり得ないのならば、もうどうでもいい。
私はおかしいのかもしれないけどそれもまた、どうでもいい事だ。
『シンちゃん、タバコちょうだい』
「……お前、禁煙者だろ」
『…吸ってみたい気分？どうやって吸うの？』
心の中にその思いを押し込めた、と言うよりかは、あらゆる全ての事柄に関して、
深く考えないようにした。
そしたら、すぅっと心が軽くなって、
何もかもどうでも良くなった。
失ったものはもう戻らないのだから、今あるものだけ見ていれば、
それでいい。
スゥ……
『ゲホッゲホッ、、、煙なんか吸って何が美味しいの！？』
「お前のせいで1本無駄にした」
『そんなの、シンちゃんこれ使えばいいじゃん。はい返す』
「おい……ったく、お前なぁ」
今思えば人間らしく生きようと必死だったのかもしれない。
1人になりたくなかったから。
愛されたかったから。
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作者名：うさぎZ x他1人 | 作成日時：2017年12月17日 0時
