100年先も愛してる (ページ50)

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夏が過ぎた頃、今市君と瑞希が一緒に暮らし始めた。
よく登坂君と邪魔しに行って怒られたり…

登坂君への気持ちを気付かれないように
それは思ったより難しかったけど、それでも４人で遊びに行く事もあって、なんだかんだつるんでる。

会社では相変わらずで、登坂君にも翔くんにも片岡さんにも迷惑かけっぱなしで申し訳ない気持ちでいっぱいになる。

いつまでも守ってもらうんじゃなくて、自分のことは自分で片付けなきゃ
直人さんが言ってた言葉が頭の中をグルグル回るけど、そうは言っても、囲まれると怖くって何も言えないまま唇を噛んで俯くしかなかった。

冬になり、クリスマスは当然デートの今市君と瑞希。
ぼっちの私が可哀想だからって登坂君が誘ってくれた。

ちょっと奮発してプレゼントしたレザーの手袋をすごく喜んでくれた。
頑張って良かったなぁって、告白なんて出来るわけないし、されるわけもないけど……
登坂君が笑ってくれたらそれだけで幸せになるんだ。

わざわざ予約してくれてたレストランで、本物の恋人達に紛れて食事して、私達も恋人に見えてんのかな？って思うとニヤニヤが止まらなくて、さすがに登坂君が気持ち悪がってた。

『ニヤニヤしてんなよ～(笑)さっきから気持ち悪ぃってー(笑)』

『だって、すごーく美味しいんだもん』

ニヤニヤをお料理のせいにして、頬っぺたに手を添えると、前に座ってる登坂君もニコニコしてた。

レストランを出て、寒そうに肩をすぼめたら、首もとにふわっとした感触と、ぬくもりがした。
「クリスマスプレゼント(笑)」って登坂君が淡い水色のマフラーを巻いてくれてた。
嬉しくて嬉しくて、泣いちゃいそうだった。
小さな声で「ありがと」って伝えるのが精一杯。
人で溢れかえる歩道をはぐれないように歩いてたら、登坂君が「ほらっ」って手を差し出してくれて、遠慮がちにそっと指だけ掴んだ。

『そんなんじゃはぐれるって(笑)』

登坂君がギュッと握ってくれて、嬉しくてまたニヤニヤしそうだったから、咄嗟に俯いた時、誰かにぶつかった。

『あっ！すみません。』

慌てて謝ると

『いえ、大丈夫です』

どこかで聞いたことのある声が聞こえた。

ハッとして顔を上げた時には、ぶつかった人はもう歩き始めていて、その人がゆっくり振り返って笑ったんだ。

あっ……………

岩田くん………

だよね？