100年先も愛してる (ページ46)

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梅雨が明けた頃、性懲りもなくあっちゃんがふら～っと入ってきた。

ほんっとしつこいなっ！
翔くんちゃんと言ってくれたのかな？
いやいや、翔くんに言われたぐらいでやめるようなあっちゃんじゃないか………
一人悶々としていると、私に構わずあっちゃんが部屋を出ていこうとした。

めずらしっ！

なんて思ってたら、あっちゃんがクルッと振り向いた。

おっと！今日はフェイント攻撃かっ？
身構えた時、あっちゃんが予想の斜め上をいった。

『あー、登坂今晩空けとけ！』

『へっ？うっ！お、俺っ？あっえっ？……はい』

言われた登坂君があんな感じになるのわかるわ。
急だし、上からだし！
何様なんだよ。
翔くんに報告しなきゃ！

お昼休みに翔くんを呼び出して、あっちゃんが登坂君を誘ってたと言うと

『おっ！動き出したか…俺も付いていくわ』

うんうん。
やっぱり翔くんは優しいな
でも、動き出したってなんの事だろ？

誘われた登坂君は、今晩の事が気になって食欲ないみたい。

『登坂君ごめんね。嫌でしょ？私から断っとくよ』

『いや、大丈夫。俺も一回きちんと話したいって思ってたから』

そうなの？
大丈夫かなぁ…
あっちゃんって、自分で言うのもなんだけど、私の事になると、豹変するからなぁ。
普段は優しくて穏やかで…大好きなんだけど。

『小学生の時、私がどんくさいから、クラスの男の子にからかわれながら帰ってきたら、たまたま家に居たあっちゃんに聞かれて、家からものすごい勢いで出てきてね、男の子達にすごい迫力で叱って(今思い出しても震えるぐらい怖かった)…それ以来、中学を卒業するまで、私の周りに男子の影が出来ることがなかったんだよね。』

私の話を聞いた登坂君は、そっとお腹に手を当てた。

その日、一日うちの会社に居たのか、終業時間にあっちゃんがやって来て、登坂君を連行していった。

『あー！俺も行く！兄貴とサシで飲むとかまだ無理だろ(笑)登坂、漏らしちゃうじゃん(笑)』

それを聞いた登坂君は、放心状態になってる。

翔くん
確かにあっちゃんと二人は登坂君が可哀想だけど、行く前からビビらせてどうすんのよ。
ばかっ！

３人が仲良く？部屋を出るとき、あっちゃんが部屋の奥に声をかけた。

『直人ー！今日、登坂居ないから、A 家まで送ってやって！』

相変わらず過保護だし…
一人で帰れるっつーの。