100年先も愛してる (ページ45)

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毎日雨が降っている。

梅雨って嫌い。
ジメジメしてるから、いくらセットしても湿気で髪の毛がうねっちゃう。

『おはようございます』

自分のデスクに座り、秋の商戦について企画を練っていた。

スポーツの秋？
読者の秋？
私はやっぱり食欲の秋が好き。

PCとにらめっこしながら捗らない企画にため息をついていた。

『シケた顔してんな(笑)』

ポンと頭に手を置かれて見上げると、何故かあっちゃんがいる。

『あっちゃん…何してんの？』

『んー？ちょっとこっちに用があったついでに覗いてみた』

もう…

『あっちゃん、ちょっと来て！』

あっちゃんの腕を掴んで休憩室に引きずりこんだ。

『なんだよー(笑)』

ヘラヘラしてるけど、私怒ってるんだよ！

『あのさ、心配してくれんのは嬉しいけどさ！もうやめてよ！』

『なんで？妹の仕事ぶり見に来ちゃダメなの？』

んもぅ！
だからいろいろ言われるんだってば！

『ちゃんと仕事してるからっ！見に来なくていいってば！』

『だって心配じゃん？また何か言われてんのかなぁ？って』

だから！
あっちゃんがチョロチョロするからコネ入社とか言われてんの！
分かってないな。

はぁーーー
とため息をついた時、休憩室のドアが開いてすぐに閉まった。

なんとかあっちゃんに帰ってもらって、デスクに戻る時、給湯室から出てきた数人の女子社員に囲まれた。

『佐藤さんって本部の佐藤さんの妹さんなんだよね？』

『そ、そうですけど…』

『いいよねー。大した企画出さなくてもいいし、新入社員のくせに、休憩室でお兄さんと雑談して…余った時間に男漁り？』

ほら…
後でこういう目に合うの私なんだから…

『…そんなこと』

してません！って言う前に誰かが私と女子社員の前に立った。

『そういうあんたらもこんなとこで後輩イビってんじゃねぇよ！』

登坂君…

『そうそう。コイツに嫌み言ってる暇あったら仕事しろ！』

翔くん…

怒りなのか恥ずかしさからなのか、顔を真っ赤にした女子社員達は、バタバタと走り去った。

『兄貴には俺から言っとくよ。完全に空回ってるって(笑)』

翔くんに頷いてから登坂君を見上げた。

『登坂君、ありがと』

『あっ！登坂、今度兄貴がメシ行こうって(笑)』

えっ？
それはどうだろ？
ちょっとやめてほしいかも…