7 場内案内�� ページ8
「ふわふわする…」
「エレベーター乗るのって慣れないと変な感じするよね」
科学技術と魔力回路を応用したエレベーターの中、慣れない感覚に顔をしかめるAをひとらんらんがなだめる。
「やったら俺が抱えましょうか」
「いい」
「即却下されてて草」
「あ、着いたよ」
▼▼▼
「ここが貴賓室。一応毎日掃除は入っとるけどあんまり動き回らん方がええかな」
「マンちゃんとかグルちゃんが使ってること多いね。ここのフロアは美術館もあるし、他の国からのお客に対応するのがメインって感じ」
「なるほど…」
貴賓室の見学は早々に切り上げて、一行は美術館へ移動した。
「はわ……」
「Aは風景の写真とか絵とか好きだねえ」
美術館の一角、キラキラした目で展示品を見つめるAを温かい目で見守るひとらんらん達。
まだ来客の予定が無いのか美術館は無人であり、実質貸切状態である。
「人居なくて良かったわ、久々にゆっくり見て回れる」
「こっちは彫刻のエリアっすね…英雄像って、個体名無いんかこいつ」
各人が思い思いに通路を巡る。
美しく色の溶け滲んだ水彩画に著名な画家の自画像、光の加減が絶妙な写真や細部にまでこだわって造られた彫刻など、そのバリエーションは実に多い。
「ここにもリンゴの木の絵か。なんかこうして見るとリンゴの木とか実をモチーフにした作品って結構多いね」
「リンゴの木は知恵の樹って呼ぶ話もあるくらいやし、その実も同じような扱われ方をする事が多いからな。神話に基づいた作品作りが多かった頃のものだろうしおかしくはないよ」
「マンちゃんは物知りだね」
「褒めても何も出ないぞっ」
「うわ」
「は？」
「御二方、あんまりバチバチするとAが内ゲバの概念覚えそうで怖いんでやめてください」
「そんなにバチバチしてないよ俺ら」
「Aには綺麗なもんだけ見て生きてもらいたいんで小さい喧嘩でも控えてください。あの子は俺が内ゲバなんてせえへん優しい子に育てるんや…」
「落ち着いてきたと思ってたけどそうでもなかったな」
「そういう教育を施せるほど幼くはないと思うよ。10歳くらいちゃう？」
なお、保護者達の会話の当事者であるA本人はこのやりとりをちっとも聞いておらず、お目目キラキラで芸術鑑賞を満喫中であった。
ーーーーー
osmn先生の「お兄さんのは〜」って発言大好きなんですよね
口撃強いロジカルな方だと分かっているのに手癖できゃぴらせてしまう(死語)
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作者名：うるち米 | 作成日時：2022年8月13日 16時
