SCENE_26 ページ26
私は、実を言うとスターダスト国の小さな街、ムーンギフト町出身。
でも、海賊が来るようになってから、故郷は変わっていった。水商売の店がどんどん増えてゆき、私の好きだった本屋も、飲食店へと姿を変えていた。
その町はもう、私達の故郷ではなくなってしまった。
私と姉が13になった頃、両親がどこかへ消えてしまった。近所の人に聞いてみても、有力情報は得られなかった。きっと私達が重荷になってしまったのね、と姉さんは苦し紛れに笑った。
そこからは、ほとんど覚えてない。
私達をかくまってくれる宿を探し、かくまってくれても、生き抜く為に踊り子として働き続けて3年。
もう、第2の故郷と言ってもいい頃、
未来の恋人となる人に出会った。
「…あの、このお酒って…名前は?」
この一言から、私の大切な人が増えていった。
『えっと…それはスクリュードライバーね。お口に合わなかったかしら…』
「あっ、いえ!そういうんじゃないんです…!ただ…」
『ただ?』
「疲れが、どっ、と抜けるような美味しさだな…と。」
『…褒めてくれてありがとう。貴方、見ない顔よね?このお店は始めてかしら?』
その日は、エトワールが踊る番で、私はお客さんと話す日だった。
次の日から、彼は…ライはよく店に通ってくれる常連客になった。私達は、話をする度に仲良くなり、友達となれた。
ライ「お、今日はルーナが踊ってくれる日なのか…!楽しみにしてるよ。」
『ふふ、ありがとう。好きなの飲んでって?』
ライ「はぁ…それって、僕が君へ貢いでくれってお願いしてるようなものだろ?」
『ふふっ、大正解よ!じゃないと、ライの好きなお酒だって、作れなくなるんだから。』
私は、気がつけば働いていた店でNO.1の踊り子となっていて、私と親しく話すライは、男達の敵となっていたようだった。
「いいねェ〜!ルーナちゃん今日も可愛いよォ〜!」
と言った感じの男からの黄色い歓声を受けながら踊っていた私。でも、たまにはファンサも出す訳で。
ライにだけ。
時にライの姿が視界に入るとウインクをしていた。ショーが終われば、ライはいつも美しいと褒めてくれるから。
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作者名:HACHI_ | 作成日時:2022年7月28日 15時