56話 ページ8
目だけで店内を見渡す
……やはり､人影はない
然し､何処からか"喋り声"らしきものが耳に入ってくる
『…あっちか』
Aは呟くと
テーブルの右奥の方へ靴音を極力立てず､静かに歩き出す
┄先程よりも､鮮明に話し声が聞こえてくる
『……ん?』
その少し手前で､立ち止まる
"聞き覚えのある"男の声がした
Aは奥へと続く通路の前まで進み､奥を覗き込みつつ声を掛ける
『┄お話中､失礼致します
花屋の者なんですけど…トラサルディー様宛の祝いのお花をお届けに参りまし､た…ぁ?』
思わず言葉が詰まる
そこには
石鹸と掃除道具を手に持ち､腰を低くしてる仗助と
祝いの花の受取人であろう､コックの格好をした男性が腰に手を当て仗助を見ており
その2人を静かに眺めている億泰が居た
此方の声に気付き､彼等の視線が集まる
億｢おっ､Aさんじゃあねぇーか〜ｯ!!
どうしたんだ､こんな所でよぉ?｣
"其れは此方の台詞だ"
そう言いたかったが､お客様の前なのでグッと堪えて質問に答える
『此方のお店に"開店祝いの花"を届けるよう､注文を受けまして……
貴方様が店主の"トラサルディー"様ですか?』
ﾁﾗﾘと男性に目を向ければ､ﾆｺｯと微笑んで此方に近付いてくる
男｢ソウデス､ワタシが店主の"トニオ･トラサルディー"デス
知人から"開店祝いに花を送る"と聞いていマシタが､その花を届けに来てくれたのでスカ?｣
"
『日本語､お上手なんですね
私自身､仕事で外国の方とは沢山お話してきましたが…
トラサルディー様は､その中でも際立って会話がし易いです』
本当に心で思った事を口に出す
すると､彼は少しずつ照れた様子で視線を外した
Aは花を納品する為､"本題"へと話を進める
『トラサルディー様､お花の事ですが如何なさいましょうか?
それなりにボリュームのある"祝いの花"なので､お手数かけますが一見して下さると幸いです』
頭を下げつつ､花をどうするか問い掛ける
それを聞いてトニオは頷く
ト｢分かりマシタ､それでは花を確認しにいきまショウか｣
2人で一旦外に向かう
┄"後で話を聞かせてもらうぞ､少年達"
トニオが厨房から出た後､Aは軽く後ろを見て口パクをする
其れを見た億泰と仗助は､どう説明するか2人で頭を悩ませ始めたのであった…
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A藍(プロフ) - なしばさん» コメント有難う御座います､ﾋｪｯ…前作から読んで下さってた方ですか…!!これからも､夢主君には沢山甘やかしたり甘やかされたり…兎に角､甘やかしたいので(←)もっと更新頑張ります!!^^* (2021年6月25日 19時) (
レス) id: e84df0134f (このIDを非表示/違反報告)
なしば(プロフ) - 前作から読んでいるのですが、続編とっても嬉しいです！！ 前作で百面相の正体が分かり、これからどうなっていくのか気になります……！ 恥ずかしがる空見くんも本当に好きです。これからも応援してます！ (2021年6月25日 17時) (レス) id: 485594ded7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：A藍 | 作成日時：2021年6月24日 15時
