末っ子は無口イケメン (ページ5)

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慎side

大城「あ、ここどうした？」

『え？』

大城さんの目線の先には何かに引っ掛けて少し血が滲んでいた。

『何したんだろ？』

大城「まぁ、いいや。カメラマンさんには伝えとくからいつも通り撮影して」

『わかりました』

大城さんと話終わって近づいてくるとあ

慎「また怪我したの？」

『そうらしいです』

怪我したのは自分なのにどこか他人事に聞こえる返事

これまでも何度かあったとあの欠けている部分

とあはアーティストであり、ダンサーであり、国指定難病のひとつ

後天性無痛症

の患者でもある。

慎「とあ、危ないからこっち」

今日は屋外の撮影で普段乗らない高い屋根に乗っての撮影

すご、、とか言いながら思いっきり身を乗り出して下を眺めるから正直気が気じゃないし、足場もそんなにいいとは言えないから細心の注意を払ってとあと足場を交互に見る。

『見て、あれ』

慎「ほら、危ないよ」

クールな顔してちょっとおっちょこちょいだし、いつも怪我するし、無口だから何考えてるかわからないって思われがちだけど意外と顔に出やすいし。今だって初めてのこの現状を子供のような顔で楽しんでる。

『うわ、』

慎「ちょ、！」

踏みずらい屋根を踏み外して落ちそうになるとあの手を掴むと一緒に傾いていくとあと僕

スローモーションになる周りの景色の後に襲ってきた鈍い痛み

掠れていく視界には頭から血を流すとあが映っていた。

無意識にとあに手を伸ばしてそのまま意識を手離した。