宿命を背負し者達～second part2～【ハリーポッター】 (ページ41)

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第８４話『拾い忘れ』ページ41

医務室をあとにし、寮へ続く廊下を早足で進みながら、私達はハーマイオニーが握りしめていた紙を見た。古そうな紙にはこう書かれていた。

紙の内容
『我らが世界を徘徊する多くの怪獣、怪物のなかでも最も珍しく、最も破壊的であるという点でバジリスクの右に出るものはない。毒蛇の王とも呼ばれる。この蛇は巨大に成長することがあり、何百年も生き長らえることができる。鶏の卵から生まれ、ヒキガエルの腹の下で孵化される。殺しの方法は非常に珍しく、毒牙による殺傷とは別に、バジリスクのひとにらみは致命的である。その眼からの光線にとらわれたものは即死する。蜘蛛が逃げ出すのはバジリスクが来る前触れである。なぜならバジリスクは蜘蛛の天敵だからである。バジリスクにとって致命的なのは雄鶏が時をつくる声。』

そして、ハーマイオニーの文字でこう書き足されていた。

『パイプ』

ハリーははっとして私達に言った。

ハリー「そうゆうことだったんだ！ロン、A。スリザリンの怪物はバジリスクなんだよ！やつはパイプを通って移動していたんだ！だから壁から声が聞こえた！」

ロン「じゃあどうしてみんな石になったのささ？」

ハリー「バジリスクの目を直に見ていないからだよ！。ミセス・ノリスは水に反射した姿を見た。ジャスティンは首なしニックを通して見たに違いない！ハーマイオニースリザリンの怪物がバジリスクだって気付いてたんだ。だから鏡を持っていた。」

A「蜘蛛が逃げ出すのは前触れ……。なにもかもピッタリね。」

怪物の正体が分かったからにはすぐに先生に知らせなくちゃいけない。でも、私にはまだ腑に落ちない点があった。さっきのことも、ハリーが蛇語をわかっていることもふまえて、スリザリンの怪物がバジリスクなのは間違いないだろう。でも、それならなぜ私の傷痕が痛んだのか。ダンブルドア先生が私の傷痕は悪の力を感じ取った時に痛むと言っていた。バジリスク本人(？)が悪いことをしてると自覚しながらやっているのだろうか……？いくら最強の毒蛇と言えど、善悪の区別なんかつかないだろう。誰かが裏で操っているのではないか………？そしたら、ハリー以外に蛇語を話せる人間が紛れ込んでいることになる………！！！

A「いっ……！！」

突然傷痕が痛みだした。近くにいる………！！

A「ハリー、ロン、先に行ってて！」

私は急いでかけだした。どこにいるのかなんてわからない。ただ、本能がこう叫んでいた。行けと。