宿命を背負し者達～second part2～【ハリーポッター】 (ページ23)

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第６６話『パズルピース』ページ23

時を少しさかのぼること一時間。エルリアから話を聞いた後、私は吐きそうな気持ちを押し殺しながら談話室に戻った。談話室ではフレッドとジョージとリーがイタズラについての話の真っ最中だったけど構わずに部屋に戻り、ベッドにつっぷした。

A「はぁ………。」

エルリアがもしも私達がスリザリンの寮に忍び込んだことをスネイプ先生に言ったら、ハーマイオニーはまだましだろうけど、私とハリーとロンはきっと退学になるだろう……。スネイプ先生は一体どんな顔をするんだろう。院長先生が私を本当に追い出したら、私はどこに行けばいいんだろう。そんな不安で頭がいっぱいだ。

A『どうしてエルリアは私の心を見ていたの………？いつから見ていたの……？』

ふと思い、エルリアのことを思い返してみた。エルリアと初めて会ったのはマダム・マルキンのお店だ。殺気だった目をしていて、純血の魔法使い以外の全ての人間を見下していて。態度の悪さに、私は話したくなくて会話を切り上げて。でも、ホグワーツ特急のコンパートメントで見た、エルリアの腕の傷を知ったことで全てが変わった。人が変わったようにエルリアは私にだけくっつくようになった……。

A『あの傷を見て、私はエルリアをほっとけなかった……。』

みんながエルリアは私の命を狙っている、騙していると言っていた。関わるなと言っていた。ヴォルデモートに代々使えてきた死喰い人の家だから。ずっとヴォルデモートに楯突くバレンタイン家を嫌い、命を狙ってきたから……。そしてフィルチのあの言葉。組分けられたというのに、誰も拍手で迎えなかった時。それを受けたときのエルリアの姿。

A『エルリアはただ誰かに【正しく】見てもらいたかっただけなのかな………。』

みんなから向けられる偏見と差別の目に、長い間苦しんできたのだろうか。あの傷もそうゆう人達につけられたのだろうか。

A「そんなことされたら、いやでも人を疑うよね……。」

私は呟いた。もしかしたらくっつきはじめた時から、心を覗いたのかもしれない。誰も信じることができないから。だって誰もエルリア自身を見ようとしないから………。

A『エルリアにウィンディを送ろう。』

まだ時間はある。エルリアに手紙を書いて、急いでふくろう小屋に行ってウィンディを飛ばした。久しぶりの仕事にウィンディは嬉しそうに鳴いて、エルリアの元へ手紙を届けに飛び去った。