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「ちゃんと、聞けハギョナ」
「や、だ…離してよ…」
「俺は…あの日、学園祭の日…お前が踊ってる姿見た瞬間にお前に惚れた。香りも何も関係ない。俺はハギョナが好きだ。心から。この先ずっとハギョナのそばにいたい」
強く、強く抱いたままハギョナにちゃんと伝わるように…
「…女なになんか…なりたくないのにっ…俺も、テグナが好き、だ…」
俺の腕の中でやっと顔を上げたハギョナの顔は涙でぐちゃぐちゃになってる
ハギョナの口から出た言葉に胸が高鳴った
「愛してるって、言える?テグナ…こんな、俺の「愛してる」
何か言おうとするハギョナの言葉を遮って
じっとハギョナの目を見つめた
「愛してる」
「っ…、バカ…馬鹿テグナ、愛してる俺も…っ」
「馬鹿は余計だ」
どこからそんなに溢れてくるんだっていうくらいぼろぼろと涙を流すハギョナの目元に優しくキスをして
胸元に抱き寄せた
じわり、と暖かい涙がシャツを濡らしていく
いつの間にかハギョナからする強い甘い香りが無くなっていた
「どうして、女になりたく無かったんだ?」
「…男に襲われた時…すごく怖かったから…女になってまたそんな事になったらやだし…それに俺はこの家継ぎたかったから、」
暫くして落ち着いて
2人でベッドに入り込んで胸元に擦り寄りながらポツポツと話し出すハギョナの頭を撫でてやる
「ハギョナを襲う奴いたら俺がまたボコボコにしてやる安心しろ」
「物騒だなぁ…ふふ、」
「それに…女でも家は継げるだろ?だめなら俺がしっかり…継いで、ハギョナは俺を支えてくれたらいい」
「ぷっ…テグナもそんなこと言うんだな」
「笑うな…っ、」
いつものように俺をからかいながらハギョナは笑った
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琉宇(プロフ) - まだ少ししか読んでませんが、マグノリアという漫画に似たお話でこの先の展開が楽しみです。また合間合間に読ませていただきます。 (2017年6月22日 11時) (レス) id: 08e83d7627 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:p663 | 作成日時:2017年5月13日 19時