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お見合い ページ14

「すまないが、俺とAだけにさせてくれ。」

「かしこまりました。」

そう言って、島津の家系のものは去っていった。

「A、ごめんな、怖い思いさせて。お前が一番、隆亮さんのこと、なにがあったか知ってるのにな・・・・。

俺はな、Aとの婚約を取りやめようと思うんだ。」

『何、言ってるの・・・?家のしきたりにはそわねばならぬとあれほど行っていたのは壮祐様でありましょう!?』

「もう、うちも限界だ。当代でたたもうと思っていてな。

だから、この紙は必要ないんだ。」

そういい、壮祐は懐から取り出した婚約届けを破く。

「ほら、A。お前には好きな奴がいるんだろう?

そいつのもとへゆけばいいさ。なに、心配するんじゃねぇよ。おれはどこでもやってけるからな。

A、大好きだったよ。

さあ、行くんだ。君の会いたい人のもとへ。」

『ありがとう。“壮祐兄”!』

部屋を飛び出していったAとちょうど入れ違いで、壮祐の父が入ってくる。

「おい、壮祐、どういうつもりだ!」

静かに、彼は答えた。



「父さん!お願いがあります。

この不甲斐ない息子をお許し下さい。

当代で、島津家は綾辻家との古来からの縁を切り、









島津家の歴史に幕を閉じさせていただきます。」


彼の目に浮かぶ涙は滴り落ち、畳を濡らす。

彼の目線は、間違いなく、愛しく思う彼女を見守っていたのだろう。

こうして、島津家は長い歴史に幕を閉じることとなったのであった。

馬鹿で、阿呆で、でも愛しくて。→←旧友の頼みなんだ



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作者名:黒尾愛してる橘悠里@歌い手同盟会 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2017年12月23日 14時

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