【ONE PIECE】時は巡る。2 (ページ18)

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66、華ページ18

ナースたちが早く行きたい、というので男たちが来る前に貸し切ったビーチを訪れた。
当たり前だが誰もおらず、ナースたちは楽しそうに浅瀬で遊びだす。

「Aももっと近くにおいでよ！」

はしゃぐ様子にAは苦笑い。能力者の彼女からしたら、浅瀬に近づくだけでも万が一の危険が残るからだ。
それに、文句も言わずに朝のビーチに付き合っているのにはナースたちの護衛の意味があった。刀は置いてきているが、何かあったときに対応出来ない事態は避けたい。

「いいよ、見てて楽しいから。気にせず遊んで」

笑ってパラソルの下から手を振る。
海で涼めもしないのに日向に行きたくないというのもあった。
ナースたちも、Aのことをよくわかっているのであとで遊びましょ！とだけ声をかけてまた変わらず水遊びをしだす。

(海なんていっつも見てるのに。格好と触れかたが違うだけで楽しいんだもんなぁ)

それぞれ水着の装いの彼女たちは、同性の僕から見ても正直とても華々しい。抜群のプロポーションと美貌の持ち主ばかりだなといつもより思った。ミニスカナース服とヒョウ柄のハイブーツを日頃着こなすだけある。

そんなAはAで、選んでもらった水着を普通に着こなして、珍しく惜し気もなく肌を晒している。大きめのシャツを肩にかけてはいるが、普段見ないAの姿にナースたちが大いに湧いたのは仕方のないことだった。
AはAで綺麗な顔をしているし、すらりとした肢体は無駄がなく、均整が取れている。女性らしいところを普段見せないぶん、水着という格好は本人からしても周りからしても新鮮そのものであった。
暫くナースたちに囲まれたのは言うまでもない。
きゃあきゃあはしゃがれた挙げ句、これもこれもといくつか装飾品をプレゼントされて、手首にはブレスレット、頭には真っ白な唾の広い女優帽を被せられていた。
これでは僕のほうがはしゃいでいるようである。心外だ。

「……、早くない？」

暫くして、ふと振り返ったAが呟いた。
ぶんぶん手を振る浮き輪を装備した二番隊隊長を視認して、Aはナースたちに視線を戻す。
後ろにまだいたなぁ。エースだけじゃなかったなぁ……。

ぐっ、と大きく伸びをする。
これから賑やかになるであろうビーチを想像して、Aは笑った。
伸びをした拍子に、肩からするりとシャツが滑り落ちた。