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「そうか、善逸も気の毒にな...」


私から善逸の様子を聞いた炭治郎は、眉を下げてそう言った。


「うん...炭治郎は、どこか悪い、悪いところとか、ない?」


善逸は症状が出るまで自覚が無かった。
もし炭治郎もそうだったらと、心配でそう聞く。


「あぁ!大きな怪我もないし大丈夫!」


炭治郎は片腕を上げて、ぱっと笑顔を作る。


それと同時に、綺麗で映えばえとした緑色が視界に入った。


鮮緑(せんりょく)色、心も元気な証拠だ。


そんな彼を見てほっとした。









それから縁側で、いくつか他愛もない話をしながら、ゆっくりとした時間を過ごす。


この時間が宝物のように大切で、安心感で満たされる。


炭治郎と一緒にいると、じんわりと心が温かくなっていくのだ。


なんとなく視線を前へやり、二人してぼんやりと、特にどこを見るでもなく眺める。


空は橙色に染まって、陽はすでに西に傾いてきている。


「(炭治郎はこういう時、何を考えてるのかな)」


ふとそんなことを思った。


炭治郎と出会ってからというもの、彼の色が気になって仕方ない。


ここにいる人たちはみんな優しい色をしているけれど、その中でも炭治郎は特に目を引く綺麗な色をしている。


あの日、あの夜

出会ったその瞬間に目を奪われた。


行くあてもなく山の中を彷徨っていた、その時の不安を消し飛ばすくらい、魅了された。


人と関わり合うことを嫌っていたあの頃の私じゃ、今の私の生活なんか想像もつかないだろうな。


あの頃は緊張して、喋ることすらままならなかったのだから。


それがこんなにも成長できたのは、炭治郎の、みんなのおかげだ。



「(機会があったら改めてみんなにお礼を言おう)」



密かにそう決めたのだった。


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設定タグ:鬼滅の刃 , 竈門炭治郎 , 恋愛   
作品ジャンル:アニメ
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あーちゃん - すごいいい話ですね(*´∀`)これからも頑張ってください。 (2020年6月10日 9時) (レス) id: 20ef85385a (このIDを非表示/違反報告)
のの(プロフ) - 花帆さん» 雰囲気や距離感は結構こだわっているつもりなので嬉しいです!!笑 満足して頂ける作品になるよう頑張ります! (2020年1月3日 20時) (レス) id: 8e770ef89c (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 更新ありがとうございます!炭治郎優しいし、かっこ良くて良いです(*´ω`*) 炭治郎と夢主さんのほんのり良い雰囲気、応援したくなります/// (2019年12月18日 4時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
のの(プロフ) - 花帆さん» 炭治郎かっこいいですよね!!ありがとうございます´`* (2019年11月24日 17時) (レス) id: 8e770ef89c (このIDを非表示/違反報告)
のの(プロフ) - らんさん» 多忙の為更新遅いですが、頑張って書いていこうと思います...!応援ありがとうございます! (2019年11月24日 17時) (レス) id: 8e770ef89c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:のの | 作成日時:2019年10月23日 20時

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