【鬼滅の刃】眩しすぎる君【竈門炭治郎】

スキ 18 ページ18

.



その日の夜



｢(人が抱えてる悩みに出しゃばったマネしちゃったかなぁ...)｣


はぁ、と深く溜息をつく。


こうして布団に入ると、ひとり静かに反省会が始まるのだ。


別に考えなければいいものを、ああ言えば良かった、こうすれば良かったと自然と思考がぐるぐると回り出してしまう。



｢(上からな物言いになったよな....。
年齢が上とは言え、私のが立場は下なのに)｣


図々しく口出しして....鬱陶しく思われてなければいいけど...。


感情が色で分かるとはいえ、細かな変化は、私が見落としている場合だってある。


まあだからって、こうやってすぐマイナスな方へ考えてしまうのは、私の悪い癖だ。



｢(アオイちゃんは屋敷の雑務もこなしてるのに、それに加えて隊士たちの看病までしてるんだよね....。
機能回復訓練だって担当してる。

それでも隊士として自分が戦えないから、役立たずだって悩んで。


役立たず、か....)｣


それじゃあ雑務しかできない私は、一体なんなのだろうか。


隊士たちの様子を見て回っているいのだって、結局は私のただの自己満足。


何かしなくちゃっていう焦りから、頼まれてもいないのに勝手にやってるだけ。


こんなんじゃ、私の方がよっぽど




｢_____役立たずだ｣



耐えきれなくなって、布団を頭まで被る。

なに自分で傷ついてるんだろ...。

ゴロンと横を向く。


｢(でも、みんな言わないだけで、
もしかしたらそう思ってる、かも...)｣


みんなのことを信頼してるのに、

みんなは施設の人達とは違うって、わかってるのに。

どうしても心配になって、そんな事をつい思ってしまう。


｢炭治郎....｣


初めて見た時の、彼の色。

あのどこまでも澄み切った青を思い出す。

どうか、どうか...。

私にも向けてけれる、あの清く美しい彼の色が、この先濁ってしまいませんように。

みんなの心に、暗い色が混ざりませんように。


もう誰にもあんな色、
向けられたくなんかないから____。



.

スキ 19→←スキ 17

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す