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でも
｢私なんてただの役立たずですよ｣
伏し目がちにそう、彼女が言った。
自嘲的な笑みを浮かべていた。
その声を聞いた途端
その表情を見た瞬間
先程まで動かなかった私の唇が、震えた。
｢そ、そんなこと、ないっ！｣
大きくて、言い切るような声が出た。
だって、アオイちゃんは。
｢アオイちゃんは、みっ、みんなの役に立とうとしてる！
人を助けようと、してる！｣
私の言葉に、アオイちゃんは微かに目を見開いた。
｢......で、でも、死ぬのが怖くて鬼を倒しに行けないんですよ？
私はただ、屋敷の雑務や隊士の方々の治療を手伝っているだけで...｣
｢鬼に対して憎しみを持ってても、死ぬのが怖いのは、きっとみんな一緒だと思う。
だから、そんな理由でアオイちゃんが役立たずになるのは、違うよ｣
真っ直ぐ目を見て言う。
するとアオイちゃんは忙しく視線を動かした。
必死に言い訳を探しているようだった。
｢で、でもっ｣
｢アオイちゃんのおかげで元気になった隊士が、たくさんいるんだよ｣
慌てて口を開く彼女に、言わせまいと言葉を重ねる。
言わせたらダメだって分かる。
素直に自分を認められなくて、自分で自分のダメなところを見つけてしまうんだ、こういう時は。
そういうのは、分かる。
｢そうやって元気になった隊士たちが、鬼を倒してくれる。
たくさんの人を救ってくれる。
それってアオイちゃんも、大勢の人を助けてることになるんじゃないのかな｣
｢私が.....｣
アオイちゃんは虚をつかれたような顔をした。
目を
けれどそこには、私は映っていないようだった。
｢うん。
だからアオイちゃんは、役立たずなんかじゃないよ｣
｢.......ありがとう、ございます｣
眉を下げながらも、少し笑みを浮かべながらそう言った。
まだ納得は、できていない様子だった。
少し色が薄くなっただけで、紫が完全に消えているわけではないからだ。
それでも、幾分か良い顔つきになっている。
｢頑張ります、私。
今の自分に出来ることを、しっかり｣
そして芯のある声でそう言ったのだった。
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あーちゃん - すごいいい話ですね(*´∀｀)これからも頑張ってください。 (2020年6月10日 9時) (
レス) id: 20ef85385a (このIDを非表示/違反報告)
のの(プロフ) - 花帆さん» 雰囲気や距離感は結構こだわっているつもりなので嬉しいです!!笑 満足して頂ける作品になるよう頑張ります！ (2020年1月3日 20時) (レス) id: 8e770ef89c (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 更新ありがとうございます！炭治郎優しいし、かっこ良くて良いです(*´ω｀*) 炭治郎と夢主さんのほんのり良い雰囲気、応援したくなります/// (2019年12月18日 4時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
のの(プロフ) - 花帆さん» 炭治郎かっこいいですよね！！ありがとうございます´`* (2019年11月24日 17時) (レス) id: 8e770ef89c (このIDを非表示/違反報告)
のの(プロフ) - らんさん» 多忙の為更新遅いですが、頑張って書いていこうと思います...！応援ありがとうございます！ (2019年11月24日 17時) (レス) id: 8e770ef89c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：のの | 作成日時：2019年10月23日 20時
