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パチッ




「(............夢か)」



目覚めの悪い夢だな。


そう思いつつ、何となく自分の手を見つめる。


ぼんやりとする頭で、考える。



「(あの声は)」



あの優しい声は


柔らかな声の持ち主は



「___Aちゃん」



どうしてAちゃんの声がしたのかは、分からない。


俺は耳が良いから、寝ている間に誰かが話したことも覚えていたりする。


もしかしたら昨夜、部屋に来てくれたのかな。


じんわりと心が温かくなる。




「(......起きるか)」



いつもは起きても暫くゴロゴロとベッドの中で過ごしているけれど、何故か今日はそんな気にならなかった。




「! お、おはよ、善逸」



フラフラと屋敷の中を歩いていると、庭で洗濯物を干すAちゃんを見つけた。


俺に気づいたAちゃんは手に大きなシーツを持ったまま振り向いて、少し微笑みながら挨拶をした。


サラサラの髪が風で靡いて、思わず見惚れてしまう。



「おはよ!」



そんな素振りを見せないように、出来るだけ自然にそう返した。



「足はどう?まっ、まだ痛む?」



「いや、寝たら随分良くなったよ。

死ぬほど痛かったけど、今はもう平気!」



そう言う俺の足に目をやって、Aちゃんは少し心配そうな顔をした。


「ほんと...?まだ少し、はれ、腫れてるみたいだけど...」


確かに、腫れはまだ完全には治まっていない。


でも痛みが昨日より引いたのは本当だし、これくらいなら全然我慢できるレベルだ。



「もう全ッ然大丈夫!
Aちゃんに看病してもらったから一瞬で治っちゃったよ!!」



「そ、そんな....私は何も....」



Aちゃんはそう言って謙遜したけれど、顔が赤くなっててどこか嬉しそうだった。



心配や、照れや、喜び。


忙しなく音を立てる彼女の音。



そんな彼女の慌ただしい心の様子に思わず笑みが零れた。


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設定タグ:鬼滅の刃 , 竈門炭治郎 , 恋愛   
作品ジャンル:アニメ
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あーちゃん - すごいいい話ですね(*´∀`)これからも頑張ってください。 (2020年6月10日 9時) (レス) id: 20ef85385a (このIDを非表示/違反報告)
のの(プロフ) - 花帆さん» 雰囲気や距離感は結構こだわっているつもりなので嬉しいです!!笑 満足して頂ける作品になるよう頑張ります! (2020年1月3日 20時) (レス) id: 8e770ef89c (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 更新ありがとうございます!炭治郎優しいし、かっこ良くて良いです(*´ω`*) 炭治郎と夢主さんのほんのり良い雰囲気、応援したくなります/// (2019年12月18日 4時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
のの(プロフ) - 花帆さん» 炭治郎かっこいいですよね!!ありがとうございます´`* (2019年11月24日 17時) (レス) id: 8e770ef89c (このIDを非表示/違反報告)
のの(プロフ) - らんさん» 多忙の為更新遅いですが、頑張って書いていこうと思います...!応援ありがとうございます! (2019年11月24日 17時) (レス) id: 8e770ef89c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:のの | 作成日時:2019年10月23日 20時

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