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けれどあの夜出会った君は、今までに見たことのない色をしていたな。
深みのある綺麗な青色の中に、透明感のある水色がサラサラと動いて見えた。
けれど藍色も広がっていて、そこからゆっくりとグラデーションで燃えるような赤に変わっている。
その真紅からは、怒りと大きな決意が感じられた。
あんな綺麗な色は、生まれて初めて見た。
赤と青で対照的な筈なのに、なぜか整って見えた君の色。
怒りがあるはずなのに、どうして深い青__誠実さや落ち着きが視えるのか分からなかった。
君の色に思わず見惚れていたら、気付いた君に声をかけられたんだっけ。
相変わらず私は上手く答えられなくって、君の色がどう変化してしまうのか怖かったな。
｢えっ。えと、A、です....｣
名前を聞かれた時だって、上手く答えられていなかっただろうに、君は手を差し出して言ったんだ。
｢Aか！俺は竈門炭治郎。よろしくな｣
夜なのにまるでお日さまが出たみたいにポカポカして、
あぁ、この人は太陽なんだなって、そう思った。
なんてことない、普通のやり取り。
でも普通じゃない私にとっては、とても大きな出来事だった。
その夜炭治郎とは、たくさん話をした。
それぞれの身の上話や起こった事
全部じゃないけれど、お互いの話をたくさん。
長男であること
可愛い弟や妹のこと
賑やかな仲間がいること
そして、鬼のこと
少し目線を下げて、炭治郎は話してくれた。
だから私も、話した。
人と接するのが苦手なこと
施設を抜け出したこと
山道で途方に暮れていたこと
一通り話し終えたら、彼は大変だったねって背中をさすってくれた。
同じ歳で、私なんかよりはるかに壮絶な思いをして生きてきた彼。
なのに私に、そう声をかけてくれた。
それが何だか特別なことのように思えて
背中をさする手と色が、どうしようもなく温かくて
今まで無意識に我慢していたものが、たくさん溢れてしまった。
ポロポロと静かに泣く私に、今度は頭を撫でてくれた炭治郎。
その手にはやっぱり優しい温もりがあった。
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あーちゃん - すごいいい話ですね(*´∀｀)これからも頑張ってください。 (2020年6月10日 9時) (
レス) id: 20ef85385a (このIDを非表示/違反報告)
のの(プロフ) - 花帆さん» 雰囲気や距離感は結構こだわっているつもりなので嬉しいです!!笑 満足して頂ける作品になるよう頑張ります！ (2020年1月3日 20時) (レス) id: 8e770ef89c (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 更新ありがとうございます！炭治郎優しいし、かっこ良くて良いです(*´ω｀*) 炭治郎と夢主さんのほんのり良い雰囲気、応援したくなります/// (2019年12月18日 4時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
のの(プロフ) - 花帆さん» 炭治郎かっこいいですよね！！ありがとうございます´`* (2019年11月24日 17時) (レス) id: 8e770ef89c (このIDを非表示/違反報告)
のの(プロフ) - らんさん» 多忙の為更新遅いですが、頑張って書いていこうと思います...！応援ありがとうございます！ (2019年11月24日 17時) (レス) id: 8e770ef89c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：のの | 作成日時：2019年10月23日 20時
