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私の手を掴む彼の力が、ほんの少し強くなった。
瞳には昏い光が揺らめいている。
「……私も、いつもジミンさんのことを考えていますよ。ジミンさんだけ………愛しています」
喉の奥から思ってもいないことがスラスラと出る。
わたしは掴まれている方とは逆の手、左手を彼に伸ばした。
柔らかな髪の感触と、冷たく陶器のような白い肌に触れる。
そっと撫でてあげれば、縋りつくかのように私の手に擦りよせる。
心臓の動悸が激しく、重い。
「そう?よかった。 もし俺のことを愛してないなんて言ったら──…その細い首を締めつけていたよ」
そう言って私の首筋を撫でる彼。
その一言だけで冷や汗と頭痛が入り混じり、首から下には痺れのような気懈いものが残留する。
恐怖で心臓が縮まりそうだ。
こんな思いは何度もしている。
それでもその思いは解消されることもなく、永遠と私を縛り付けていた。
「ジミンさん、お仕事………」
「ああ、そーだった」
思い出した、とでも言うように口を開き体を離す。
「それじゃあ、行ってくるね? いい子にしてるんだよ」
そう言って私の額にキスを落とすと、扉の向こうへと消えていった。
「なんで、こうなっちゃったんだろ…………」
ポツリと呟いたその言葉は、
広い部屋にやけに響いた。
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★滝野みかちょ★KーPOP愛してるよん★ - この作品が面白くてなんかいも見ちゃうです! (2019年3月30日 21時) (レス) id: a62675aae7 (このIDを非表示/違反報告)
日向(プロフ) - (名前)さん» (名前)さん、コメントありがとうございます。すごい好きだなんて言われて、嬉しい限りです…。これからも頑張りますので、ヨロシクお願いします:-) (2016年10月28日 19時) (レス) id: d5d017206e (このIDを非表示/違反報告)
(名前)(プロフ) - 良いところで続編!!もうすごい好きです。頑張ってください!更新ファイティン!! (2016年10月28日 18時) (レス) id: 9fe512cdf1 (このIDを非表示/違反報告)
日向(プロフ) - はるかさん» 閲覧、コメントありがとうございます。続編の方も楽しんで頂けると幸いです…!:-) (2016年10月23日 20時) (レス) id: 50a7649c25 (このIDを非表示/違反報告)
はるか - きゃーーー!!!! (2016年10月23日 19時) (レス) id: dc74fb0050 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:日向 | 作成日時:2016年7月6日 2時