歪みノ愛

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｢おはようA 今日も綺麗だよ｣





そう言ってジミンさんは、いつものように私の頬に軽くキスを落とす。









｢今日はレッスンだけだから早く帰れそうなんだ｣




｢そうなんですか……？｣




｢うん。 だから、心配しなくてもいいからね｣









お門違いな言葉に溜息をつきたくなる。









｢ねえ、A。 三日後に何があると思う？｣





｢………三日後？｣





｢そう！ ちなみに今日は８月２日でーす｣





｢んー………わかんないです…｣





｢ええ！？ A、自分の誕生日忘れたの？｣





｢誕生日？｣









ああ、そう言えばそうだった。












｢そう！ その日は仕事も休むから、一日中一緒に居れるんだ。 プレゼントは何が欲しい？｣








プレゼント、という言葉よりも一日中一緒という言葉に落胆する。








｢えっと………何でもいい、です｣




｢えー！ じゃあ俺が帰ってくるまでに考えといて？ 紙とペン置いとくから、ここに欲しいモノ書いといてよ｣




｢わかり、ました……｣





｢ん、じゃあ朝食持ってくる！｣




｢はい……｣








プレゼントや誕生日よりも、




今はどうすれば逃げれるのだろう、という思考に囚われていた。







一人で逃げる事はもちろん不可能。






第一、この鎖が邪魔だ。








自分から脱出することは出来ない。








どうにかして、誰かに助けを求めたかった。

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